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2005/1/4
雪の舞う中、高崎競馬が81年間の歴史に幕

 高崎競馬が、12月31日の第8競走(降雪のため第9競走以降中止)をもって、81年間に及ぶその長き歴史に幕を下ろした。
 同競馬は、平成15年度末で累積赤字が51億円を超える厳しい経営状態に陥り、平成16年9月28日に小寺弘之群馬県知事が同年内での廃止を表明。その後、厩舎関係者たちによる署名運動や、IT企業の「ライブドア」が経営参画を打診するなど、存続に向けて様々な活動がおこなわれたが、廃止撤回には至らなかった。

 最終日の31日は、正午過ぎから小雪が舞い始め、瞬く間に場内は白一色に。一向に収まる気配のない雪に、やむなく第9競走以降のレースを中止。メイン(第11競走)に予定されていた最後の重賞「第33回高崎大賞典」も幻となってしまった。
 レース後には、高崎競馬所属の全騎手がスタンド前の馬場にて挨拶し、別れを惜しんで多数駆けつけたファンの方々に感謝の意を伝えるとともに、また必ずどこかで皆さんの前で騎乗したいと、固い決意を語った。その後各騎手が、着ていた勝負服やムチ、鞍に至るまでファンにプレゼントするなど、騎手とファンとの交流はいつまでも続いていた。

 なお、高崎競馬最後の第8競走を制したのは、ファーストルーチェに騎乗した同競馬紅一点の赤見千尋騎手。出走前のパドックではファンから励ましの声が各騎手に贈られており、赤見騎手もその掛け声に笑顔で応えていたのだが、レースを終えて緊張の糸が切れたのであろう…。再び馬にまたがって、最後の口取り写真を撮るためにファンの前に姿を現した彼女の目からは、大粒の涙がこぼれ落ちていた。

高崎競馬スタンド前 高崎競馬赤見千尋騎手
第8競走の1周目スタンド前。81年間、ファンが見守り続けた風景だった
高崎競馬最後の勝者となった赤見千尋騎手から熱い涙がこぼれ落ちた