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COLUMN 27 2021.10.14
競馬のドラマを追いかけて
競馬ブック 中川明美

「競馬には夢があるね」
第23回ジャパンダートダービー(JpnI)が終わって、関係者がそう口にするのを何度も耳にしました。キャッスルトップの馬上から拳を突き上げて喜びを表す仲野光馬騎手の姿に心を打たれた人も多かったのではないでしょうか。
予想が惨敗のわたしもそうでした。

12番人気のノーマークの逃げ馬が勝った…。それだけではない道中のペース配分、ゴール前の攻防。調教でも乗り難しいキャッスルトップをどう乗るかを、大舞台の経験浅い仲野騎手なりに何パターンも考えていたとあとで聞きました。
繁殖牝馬4頭の城市公さんの牧場で生まれたバンブーエール産駒。それを息子の幸太さんが担当厩務員として仕上げ、補欠5番目から繰り上がって出走権を獲得。
いくつもの関門をくぐり抜けた勝利では『競馬には夢がある』という連続ドラマを堪能させてもらいました。

ホースニュース馬時代はトラックマン、現在は競馬ブックの南関東担当記者をしていますが、厩舎や競馬場を歩いて話題をお伝えすることに変わりはなく、競走馬それぞれの背景やホースマンたちが繰り広げるドラマを見て、聞いて、心ときめかせています。
最初に魅了されたのはチャンピオンスターという馬。4歳で帝王賞を勝ったあとに屈腱炎を発症。九十九里の海岸で脚元を海水に浸ける治療を続け、2年近い時間をかけて復帰すると、なんと7歳で二度目の帝王賞制覇を成したのでした。復活を信じる陣営の想いが宿ったようなゴールシーンでした。

今年はキャッスルトップだけでなく、川崎記念(JpnI)、かしわ記念(JpnI)をカジノフォンテンが勝ち、サルサディオーネがスパーキングレディーカップ(JpnIII)で逃げ切るなど、ダートグレード競走でも地方馬の活躍が目立ちます。

地方競馬の限られた施設の中でJRAの強豪に立ち向かうには、馬の能力を引き出すための調整の緩急によるところが大きく、〝腕利き〟と言われる厩務員さんは馬の微妙な変化にいち早く気づくそうです。
例えばかつてはフリオーソ、そして今はカジノフォンテンを担当している波多野敬二厩務員。いかにも職人肌で一見強面ですが、仕事ぶりはじつに繊細。ノートに細かく担当馬の日々の状況を記していて、レースで結果が出たときと出ないときを照らし合わせて調整に変化をつけるのだそう。
「馬の一番近くにいるからこそできることがあるんだ」と職人然。
まだヤンチャ坊主だったカジノフォンテンがひと夏でどう成長しているのか楽しみです。

JBCの足音が近づくなかで、今年は「目標は金沢」と早くから意識した調整やローテーションを組む陣営が南関東でも多く、昨年のJBCスプリント(JpnI)優勝馬サブノジュニアをはじめ、カジノフォンテン、ミューチャリー、サルサディオーネ、アランバローズなどが早々に参戦表明しています。

今年は金沢、門別で行われるダートの祭典JBC。
その足がかりとなる前哨戦が行われている真っ最中ですが、どんなドラマが続いていくのか一戦一戦を見逃せませんね。

※馬齢は現在の表記に合わせています。

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