人気馬を振り切って逃げ切り勝ち
北海道からの遠征馬が強さを見せる

　2歳牝馬による地方交流重賞・ローレル賞は、グランダム・ジャパン2歳シーズン第4戦。今年は2歳王国北海道から強力な2頭が参戦し、その底力をまざまざと見せつける結果になった。
　門別の重賞、フルールカップとリリーカップを勝ち、エーデルワイス賞JpnⅢでもタイニーダンサーに0秒4差の2着になるなど、まだ一度も連対を外していないモダンウーマンが、南関東3戦3勝で1番人気に推されていたスアデラを一蹴。ここでも角川秀樹厩舎の勢いが止まらなかった。
　モダンウーマンは初コースや左回り、距離、長距離輸送で馬体重を大きく減らすなど、初物尽くしのハンデが多かった中でのこの結果だけに、強さが際立っていたと言えるだろう。
　「普段からおとなしくて落ち着いていますが、レースになると気合が入る馬で、無駄な力を使わずにレースで力を発揮できるのが強みです。初めての場所でも物怖じせずにいつも通りの競馬をしてくれました。課題は、見当たりません」と、モダンウーマンとコンビを組んだ阿部龍騎手も愛馬の奮闘を労っていた。
　レースは、好スタートを切ったモダンウーマンが持ち前のスピードを生かして先手を取ると、スアデラも2番手につけてピッタリとマーク。1コーナーに入るところではすでに大きく縦長の展開。モダンウーマンは前半600メートル37秒0、1000メートル63秒5のペースで進めていった。
　3コーナー手前からモダンウーマンとスアデラの一騎打ちとなり、後続との差がみるみる開いていった。3～4コーナーではスアデラの手応えの方がよく見え、騎乗していた本田正重騎手が後ろを振り返って後続との差を確認する余裕もあったほど。
　「勝てると思う手応えだったんですが、今まで（レースで）みっちり追われていない分なのか、思っていたより伸びませんでした」と本田騎手は首をかしげていたが、これもモダンウーマンが強い相手と戦い続けてきた差でもあっただろう。
　直線に入るとモダンウーマンはさらに力強い走りでスアデラを振り切り、2馬身差をつけての完勝。1600メートルの勝ちタイムは1分43秒4（重）。「馬体を併せられることもなく伸びてくれて、強いなと思いました」（阿部騎手）。2着のスアデラから9馬身離れた3着には北海道のマックスガーデンが入った。
　モダンウーマンはこのレースを最後に、ハードデイズナイトなどを手掛けた川崎の佐々木仁厩舎に移籍。東京2歳優駿牝馬から来年の南関東クラシック戦線を歩んでいく。さらに、3着に入ったマックスガーデンもこのまま大井の蛯名雄太厩舎に転厩し、状態を見て同じく東京2歳優駿牝馬に向かう予定だ。これから南関東の一員となり、どんなパフォーマンスを見せていくのだろう。
　グランダム・ジャパン2歳シーズンは、モダンウーマンが15ポイントを加算し合計30ポイントで暫定1位へ。マックスガーデンは14ポイントで暫定5位。最終戦の東京2歳優駿牝馬まで見逃せない戦いが続いていく。