
レースの見どころ
ホクトベガ。4歳時にはエリザベス女王杯で三冠を目指すベガを撃ち破り、7歳になってからは本格的にダート交流重賞路線を歩み、川崎、船橋、高崎、大井、盛岡、浦和と全国各地に飛び回り連戦連勝。96年の帝王賞は彼女見たさに7万人を超える大観衆が大井競馬場へ訪れた。日本競馬史にエポックメーキングな記録を残した同馬が、ドバイでこの世を去ったのが97年。その年にこの重賞が創設され、04年、川崎競馬における活躍を称え「ホクトベガメモリアル」と冠された。30回の節目を迎える今年は、上半期に行われた古馬牝馬のダートグレードレース、クイーン賞、兵庫女王盃、エンプレス杯の1~3着馬がすべて不出走。傑出馬が見当たらない大混戦の様相を呈す。

前述の通り、JRA勢に牝馬ダートグレード競走で戦果を挙げてきた馬が見当たらない組み合わせ。南関東勢にも大いにチャンスありと見て、同馬を本命に推す。ホッカイドウ競馬から移籍後、しばらくは左回り中心のローテーションを組まれていたが、昨年11月に園田遠征を敢行、初めて右回りで勝利を挙げた。続く大井・東京シンデレラマイルも制し、競馬場を問わず力を出し切れるようになった。しらさぎ賞は太め残りと外枠の不利が響いた4着。ホームのマイル戦は最適に映るだけに、再調整で絞れてくればパフォーマンス向上が見込める。近5年、7枠7番に入った馬は3、7、1、1着。七夕の季節に行われること座の一等星「ベガ」のメモリアルレース。偶然だろうが、外枠有利の傾向は確かだ。

近5年、栗東ステークスを走った直後にここへ挑んできた馬は、のべ3頭いて2、1、3着。サンプル数こそ少ないが、本番に直結しやすいステップと言えよう。馬場を一周する競馬を初めて経験した吾妻小富士ステークスは、早め先頭から押し切ろうかというほどの手応え。短距離ばかり使われてきた馬とは思えないほど道中の折り合いもスムーズで、あのレース運びなら川崎マイルには十分対応できる。ナイター、地方の深い馬場と克服すべき課題はあるものの、それを乗り越えられるような充実ぶりが感じられる。

レコードタイムで牡馬を撃破した名古屋大賞典。当時はインパクト満点だったが、同レースの2、3着馬はその後、連に絡めておらず、この馬も牝馬ダートグレード競走において、人気ほど走れていない。ただ、今回はクイーン賞、エンプレス杯の上位入線馬達がごっそり抜けた組み合わせ。相手関係はかなり有利になっている。マイル戦にも対応できる柔軟性を備えているし、川崎コースを経験済みなのも強み。他馬との斤量差もさほどないだけに、捲土重来を期す絶好の機会になるかもしれない。

プラウドフレールは、メモリアカフェ(今年の兵庫女王盃、エンプレス杯優勝)を斥けたマリーンカップの勝利が印象的。思いの外、伸び悩んでいるが、今回は併せ馬を2本消化して、ハードな調教を課された。これが、カンフル剤になって本来の走りを取り戻せれば。派手な大流星がトレードマークのアンジュフィールドは、ゲートの出が今ひとつで押っ付けて好位を取りに行く戦法。それだけに、8枠はプラスに働く。JRA1勝クラスをダート1800mで圧勝しており、マイル戦に替わっても力を発揮できる。カピリナは6勝中4勝を芝1200mでマーク。パワー優先の地方競馬場が合うかどうかは微妙だが、GⅢ函館スプリントステークスをレコード勝ちした実績は軽視できず。ちなみに、8枠に入った馬は近5年、どちらか1頭が3着以内に入線。
提供 競馬ブック 善林 浩二
注記
当ページの情報は、7月7日(火)17時現在のものです。
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。