レースハイライト タイトル
dirt
2012年8月15日(水) 佐賀競馬場 1400m

スタートダッシュで明暗分かれる
得意の逃げに持ち込み4馬身差完勝

 サマーチャンピオンJpnⅢ当日の佐賀競馬場は快晴に恵まれ、前日の雨の影響で不良からスタートした馬場状態も第7レースには稍重まで回復。その後も強い日差しが続き、発表こそ稍重のままだったが、良馬場に近い絶好のコンディションでレースを迎えることとなった。
 JRAの3頭はプロキオンステークスGⅢ(中京)から、勝ったトシキャンディをはじめ、6着テイクアベット、10着スーニの3頭が参戦。例年、同レースの出走馬はサマーチャンピオンで好成績を挙げる馬が多く、この3頭がさほど差のない上位人気を形成。これに昨年、今年とスーパースプリントシリーズファイナルの連覇を達成した笠松のラブミーチャンを加えた4頭の有力馬による争いとみられ、なかでもトシキャンディ、テイクアベット、ラブミーチャンの快速馬3頭による先行争いが注目の的となった。
 テイクアベットが好スタートからすっと馬群を抜け出してハナに立ち、大外枠から上がってきたラブミーチャンが2番手を確保。一方、前走のプロキオンステークスを逃げ切り勝ちしたトシキャンディは「ゲートが開く瞬間に、隣のスーニが暴れた影響を受けてしまった」(木幡初広騎手)と、大きな出遅れこそなかったもののスタート直後のダッシュを欠いて3番手の位置取りに。その外にエーブダッチマンがつけ、すんなりと先行馬群が形成された。
 2コーナーでラブミーチャンがテイクアベッドとの差を詰めにかかり、その差は一旦は1馬身に縮まったものの、テイクアベットが再び差を広げて先頭を譲らず。ここでの先行争いで2頭が後続を突き放し、優勝争いはこの2頭に絞られた形となったが、両馬の差が再び詰まることはなく、テイクアベットがラブミーチャンに4馬身の差をつけての重賞初制覇となった。
 テイクアベット鞍上の幸英明騎手は2コーナーでの攻防を振り返って、「迫られて馬がムキになる面があったので引き離しました。向正面で差が開いたので、このまま行けるかなと思いました」と、ここで勝利を意識。好スタートから終始スムーズなレース運びでの完勝となった。
 「佐賀のサラサラとした砂は、馬にとっては向き不向きはありますが、好きな砂質ですね。九州の地方競馬は佐賀1場だけになってしまい、盛り上げるためにも乗れる馬がいれば毎年でも来たいですね」と、佐賀の印象を語る幸騎手は、サマーチャンピオンは09年のヴァンクルタテヤマ以来となる2勝目。前回同様に表彰式後は待っていた多くのファンのサインに長い時間をかけて応えており、佐賀でのグレードレースには欠かすことのできない騎手といえるだろう。
 佐賀からの出走馬はシゲルアサマヤマが5着に入り掲示板内を確保。52キロの軽ハンデで主戦騎手が騎乗できないこともあり、シゲルアサマヤマには山下裕貴騎手、サマーリカード(9着)に竹吉徹騎手、アドマイヤダンク(10着)に岩永千明騎手と、出走馬4頭中3頭に若手騎手が起用された。佐賀競馬では今年度から若手騎手限定戦の「チャレンジレース」を創設し、騎手の育成に力を入れている。「結果は残せませんでしたが、こういうレースに騎乗できる機会はなかなかないので、楽しみにしていました」(岩永騎手)と、今回の結果はやや厳しいものとなったが、グレードレースの経験が、今後の飛躍に繋がることが期待できそうだ。
幸英明騎手
これまでの5勝はいずれも逃げだったので、強引にでも行くつもりででした。トシキャンディと競る形になれば枠の差から2番手になるかもと思っていましたが、すんなり行くことができました。4コーナーでは余裕というほどではありませんでしたが、後ろは気にしていませんでした。
湯窪幸雄調教師
前走のプロキオンステークスで負けたときは左回りが初めてでしたし、スタート直後の芝が長かった影響もあったので、こういう最初からダートの方が良いですね。勝って賞金を加算したのでどこでも使えるようになりましたが、次走は涼しくなってから考えようと思います。


取材・文:上妻輝行
写真:桂伸也(いちかんぽ)