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レースハイライト

第64回 平和賞

2018年11月7日(水) 船橋競馬場 1600m

思い切った逃げで後続を振り切る フリオーソ産駒の南関重賞初制覇

 南関東生え抜きとして、NARグランプリ年度代表馬を4度受賞するなど、地方競馬で一時代を築いたフリオーソ。種牡馬になってからも、初年度産駒から高知二冠馬フリビオンをはじめ、全国各地に重賞ウイナーを送り込んできた。その3世代目となるのが今年の2歳馬で、ついに南関東から重賞ウイナーが誕生した。
 北海道からも2頭が参戦した平和賞は、瀧川寿希也騎手が騎乗した6番人気ヒカリオーソが逃げ切り勝ちを収めた。父がフリオーソ。母のヒカリヴィグラスと祖母のマイムーンも大井の生え抜き。祖母の姉が笠松の名牝ライデンリーダーという、地方競馬にゆかり深い血統。
 レースでは父譲りの逃げに持ち込んだ。「未完成な馬なので、ラチを頼らせて走らせたかったです。行きたい馬もそろっていましたが、スタートが決まった瞬間に逃げようと思って、無理にでも行ってやるくらいの気持ちで出していきました」と瀧川騎手が言うとおり、ヒカリオーソは一気に先頭へ躍り出た。道中もマイペースで淡々と進めていき、最後の直線では後続との差を広げた。
 そのまま楽に逃げ切るかと思ったところ、4番手から牝馬のトーセンガーネット、2番手で進めた北海道のマイティウォーリアがゴール前で迫ったものの、最後まで凌ぎ切った。
 「積極的に動いた分、最後は1頭になってしまい、初コースで物見をして、耳をピョンピョン動かして遊んでいました。やばかったです(苦笑)」(瀧川騎手)。勝ちタイムは1600メートル1分43秒3(重)。
 この平和賞は父のフリオーソが12年前に出走し、キンノライチョウにハナ差で2着に敗れていた。そんな因縁のレースで、産駒が南関東重賞初制覇というのも感慨深い。ちなみにヒカリオーソの馬主は、フリビオンと同じ西森鶴氏だ。
 馬体重は429キロと牡馬としては小柄だが、瀧川騎手は、「まだ手前の替え方は課題ですが、ゲートもおとなしくてスタートもうまいです。気もよくてとても乗りやすい馬です」。全日本2歳優駿JpnⅠの優先出走権を得たが、馬のコンディションと相談をして決めていくそうだ。これからどのように成長していくのか見守っていきたい。
 一方、7着に入ったカジノフォンテンの母は、上山から船橋に移籍し、エンプレス杯JpnⅡやスパーキングレディーカップJpnⅢなど重賞6勝を挙げたジーナフォンテン。カジノフォンテンはその5頭目の産駒で、初めて新馬戦を勝ち、産駒としては重賞初挑戦だった。スタートで遅れてリズムよく行けなかったのは残念だったが、これが2戦目というキャリアを考えれば悲観する内容ではない。今後に向けてもいい経験になっただろう。
 地方競馬を彩った名馬の産駒たちに、酔いしれた夜だった。
取材・文:高橋華代子
写真:国分智(いちかんぽ)

コメント

瀧川寿希也騎手

南関東4場で一番苦手な船橋で重賞を勝つことができたので自信にも繋がります。教養センターの同期生だった(笹川)翼が2着に入って、『ワンツーだよ』と翼から言われました。今でも仲がいいですし、学校時代に下手だった僕に教えてくれたのも翼です。こうやって若い2人で盛り上げていきたいです。

岩本洋調教師

前々走で逃げて勝った時から、それまで調教でも動くタイプではなかったですが、グンといい方に向いています。まだトモが流れるところがあるので、コーナーのきつい川崎コースよりも、ゆったりしている船橋コースは合うんじゃないかなと思っていました。今日はとても落ち着いていていい感じでしたね。