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スーパースプリントシリーズ
2019

競走距離1000メートル以下のレースのみで構成されるシリーズ競走。トライアル6戦およびファイナルの計7戦で実施され、超短距離戦で能力を発揮する異才の発掘と、各地方競馬場で実施可能な最短距離を極力活かすためのワンターン(コーナー通過が3~4コーナーのみ)のスプリント戦によるシリーズとして2011年に創設されました。
なお、地方競馬全国協会では、トライアル優勝馬がファイナルでも優勝した場合の馬主褒賞金を競走振興事業の一環として拠出いたします。

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レース名 実施日 競馬場 距離 地区
早池峰スーパースプリント 6.2(日) 盛岡 1,000m 東北
川崎スパーキングスプリント 6.13(木) 川崎 900m 南関東
園田FCスプリント 6.20(木) 園田 820m 近畿・四国
佐賀がばいダッシュ 6.23(日) 佐賀 900m 九州
グランシャリオ門別スプリント 7.4(木) 門別 1,000m 北海道
日本海スプリント 7.9(火) 金沢 900m 北陸・東海
ファイナル
習志野きらっとスプリント
7.17(水) 船橋 1,000m 全国
  • 第9回
  • 習志野きらっとスプリント

7.17 (水) 船橋 1000m

連覇を狙う人気馬を競り落とす
 地元開催のJBCに向けアピール

1000メートル以下のレースで実施されるスーパースプリントシリーズ2019は、全国6つの競馬場でトライアルが展開されてきた。そしてファイナルの習志野きらっとスプリントには、トライアルの勝ち馬では、園田FCスプリントのタガノカピートや、川崎スパーキングスプリントのラディヴィナが参戦。

しかし勝ったのはノブワイルド。TUBEの前田亘輝オーナーの所有馬としても知られている。今年、関東ではまだ梅雨空が続いているが、この日は久しぶりに青空が広がり気温も上昇、夏らしい陽気となった。レース後の表彰式でインタビュアーから「夏が近づいてくるとノブワイルドの季節ですか?」という質問もあり、「そうですね。季節がくると思います(笑)」と左海誠二騎手。メンバー中唯一のダートグレードウイナーの地力を見せつけた。

レースは、昨年の覇者で1番人気のアピアが先頭に立とうとしたところ、内から何がなんでもという形で主張していったのがノブワイルド。「小久保調教師と話しをして、行けるんだったら積極的に行こうと。前回(川崎スパーキングスプリント)は59キロで、今回は57キロだったので、もっとスパンと行くかなとも思ったのですがズブさはありました」と左海騎手。

アピアとノブワイルドが併走していき、最後の直線に入ってノブワイルドがわずかに出ると、残り200メートル過ぎまで食らいついていたアピアを完全に引き離した。「アピアの方が楽に進めていて、ワイルドはちょっと強引に突っ込んでいくような感じでしたが、最後はもうひと伸びしてくれて、馬の力で勝たせてもらいました」(左海騎手)。

ノブワイルドは2着のアピアに2馬身半差をつけ、勝ちタイムは59秒0(重)。ハナ差で3着には大外から突っ込んできたヨンカーが入った。

中央デビューのノブワイルドは、能力の高さに定評はあったものの、体質が弱く2度の骨折を発症。浦和の小久保智厩舎でじっくりと育てられてきた。昨年はテレ玉杯オーバルスプリントJpnⅢを制したが、JBCスプリントJpnⅠ、年明け初戦のフジノウェーブ記念はともに16着と大敗。その後は休養に入り、前走川崎スパーキングスプリント(3着)では復調の兆しを見せた。

JBCスプリントJpnⅠのショックを癒すためにはもっと間隔を空けて、フジノウェーブ記念は使うべきところではなかったと小久保調教師は振り返る。その後、ゆっくりと立て直してきたことで、体質の弱さも解消されてきたという。

前日に北海道で行われていたセレクションセールでは、「前田オーナーに高い馬を買っていただいたので、今日は勝ってもらいたかったのでよかったです(笑)。ワイルドもセリで選ばせていただいたので、そういう馬が重賞を勝ってくれるのは感無量です」と小久保調教師。

最大目標は11月4日に浦和競馬場で実施されるJBCスプリントJpnⅠ。地元の大一番だけに、小久保調教師の想いも強い。ノブワイルド以外にもJBCへ出走チャンスのある馬たちが在籍しているだけに、不動の南関東リーディング・小久保調教師の手腕にも期待したいところだ。

  • 取材・文
  • 高橋華代子
  • 写真
  • 国分智(いちかんぽ)

Comment

左海誠二 騎手

乗せていただいたのは3月のフジノウェーブ記念(16着)以来でしたが、跳びは若いし、雰囲気もいいなぁと思いました。この馬のいいところは、勝負根性があってスピードも持ち合わせていて、力のあるところです。7歳でも伸びしろはあると思うし、まだまだ大きいところを穫って頑張っていきたいです。

小久保智 調教師

気温の上昇とともに動きも滑らかになってきました。ゲートの出はいつもより鈍くて、行き切った時にエンジンがかかったかなと思います。よくあそこから二枚腰で伸びてくれて、具合がよほどいいように感じました。実績のある馬との一騎打ちでしたが頑張ってくれましたね。7歳ですが、まだやれます。