ウェブハロン

高崎競馬廃止後、金沢に移籍した2005年から昨年までの15年でじつに13回、金沢の調教師リーディング・トップに立っている金田一昌調教師。石川ダービーは、2017年の第1回から昨年まで3連覇。今年は大挙5頭を出走させた。しかし勝ったのは、加藤和義厩舎の牝馬ハクサンアマゾネス。単勝1.9倍の1番人気にこたえて見せた。

ダッシュよく飛び出して逃げたのはエムティエーレ。1周目のスタンド前では2番手のカガノホマレに4馬身ほども差をつけて単騎の逃げに持ち込んだ。3番手以下もやや離れて縦長の展開。スタートでダッシュがつかなかったハクサンアマゾネスは後方2番手からの追走となった。

3コーナー。逃げていたエムティエーレが一杯になって後退、替ってカガノホマレが先頭に立とつと、外から一気に迫ってきたのがハクサンアマゾネス。4コーナーでカガノホマレをとらえると、直線で抜け出した。

一旦は後続を振り切ったハクサンアマゾネスだが、余力はわずか。鞍上の吉原寛人騎手が懸命に追ってゴールを目指すところ、最後方から遅れて追ってきたのがフジヤマブシ。ゴール前、みるみる差が詰まったが、ハクサンアマゾネスがクビ差しのいだところがゴールとなった。

8番人気のカガノホマレが3馬身差で3着に粘り込み、4連覇を狙った金田一昌厩舎は、コードジェニックの4着が最先着だった。

勝ったハクサンアマゾネスの加藤和義調教師は、レース後のインタビューで開口一番、「ゴールの瞬間、声が出ましたね。泣いた」と。じつは昨年の石川ダービーで1番人気に支持されたスターキャデラックを管理していたのも加藤調教師。その鞍上だった吉原騎手には石川ダービー3連覇がかかっていた。しかし勝ったのは金田厩舎のロンギングルックで、スターキャデラックは大差をつけられ2着に敗れていた。

「（レース前に）去年の悔しい思いを（加藤）先生と話していて、厩務員さんも同じ人だったので、『今度はオレらの番だ』って気合を入れて臨んだので、しっかり獲れてよかった」と語った吉原騎手。ここまで4回の石川ダービーで3勝目となった。

ハクサンアマゾネスはデビューが3歳4月と遅かったが、そこから4戦全勝で“ダービー”制覇。今年新設された金沢デビュー馬限定の3歳牝馬によるノトキリシマ賞から重賞連勝となった。

昨年の雪辱を果たした加藤調教師は、ハクサンアマゾネスの今後について、「（レースから）上がってきて動けないくらい目一杯走ってきたので、しばらく休ませて、馬体が回復してから次を考えていきたいと思います。金沢だけでなく、他場への遠征でも活躍できるようにがんばっていきたいと思います」と期待を語った。