前回のハイライト
1番人気のオメガパフューム（JRA）がゴール前の激戦を制し、史上初の3連覇達成。これで交流GI（JpnI含む）4勝目。帝王賞、JBCクラシックで2戦連続2着だったが、暮れの大一番で地力を発揮した。9番人気のカジノフォンテン（船橋）が2着。前走の勝島王冠を逃げ切った上がり馬が健闘。3番人気のウェスタールンド（JRA）が3着。
データ分析
東京大賞典は地方競馬で唯一の国際GI競走。1着賞金8,000万円はJBCクラシックと並び地方競馬・最高金額を誇る。今年の帝王賞、チャンピオンズカップを制したテーオーケインズは出走回避。主役候補は前人未到の4連覇がかかるオメガパフューム（JRA）。前走のJBCクラシック2着後、放牧を挟み12月3日に帰厩。引退レースで新記録達成に臨む。地方所属馬はミューチャリー（船橋）が大将格。今秋、地方所属馬で初めてJBCクラシック制覇。オメガパフューム、チュウワウィザード、テーオーケインズなどGI馬（JpnI含む）6頭を破った。出走すれば好勝負必至だ。ここでは、過去10年の結果から傾向を探っていく。
（1）1番人気は単勝オッズ1.7倍以下
1番人気は4勝、2着3回、3着2回で勝率40％、3着内率90％。単勝オッズ1.7倍以下なら4勝、2着1回で勝率80％、3着内率100％。2020年オメガパフューム（単勝オッズ1.3倍）が2014年ホッコータルマエ（単勝オッズ1.7倍）以来、6年ぶりに1番人気で勝利。単勝オッズ1.7倍以下の1番人気は堅軸だ。2、3番人気は5勝、2着5回、3着4回で勝率25％、3着内率70％。2017、2018年は上位人気3頭で決着した。
（2）栗東所属馬は坂路調教で好成績
JRA所属馬が全10勝。そのうち栗東所属馬が9勝、2着7回、3着7回で勝率16.4％、3着内率41.8％。そのうち、栗東坂路で直前追い切りを行った馬が7勝。大井ダート2000mは前半流れが落ち着き、向正面からペースアップ。後半のロングスパート勝負になる。栗東坂路では実戦を想定して末脚を磨く。1ハロン時計の速さが重要で、ラスト1ハロン12秒前半が理想。［4ハロン52－53秒台、3ハロン37－38秒台、1ハロン12秒前半］が好走時計だ。
（3）近年は地方所属馬が活躍
美浦所属馬は1勝、2着1回、3着1回で勝率11.1％、3着内率33.3％。サウンドトゥルー（美浦・高木登厩舎）が2015年1着、2016年3着、2017年2着と唯1頭好走。孤軍奮闘したが、2018年東京大賞典（4着）から船橋・佐藤裕太厩舎に転厩した。地方所属馬は0勝、2着2回、3着2回で3着内率5％。2020年2着カジノフォンテン（船橋・山下貴之厩舎）は2021年JpnI2勝。2005年アジュディミツオー以来の地方所属馬での優勝も可能だ。
（4）充実期の4、5歳馬に注目
4歳馬が4勝、2着2回、3着2回で勝率12.9％、3着内率25.8％。5歳馬は3勝、2着2回、3着2回で勝率12.5％、3着内率29.2％。充実期を迎えた4、5歳馬が好成績を残す。7歳馬は1勝、2着3回で勝率5％、3着内率20％。2017年に7歳馬コパノリッキーが引退レースでGI/JpnI11勝目を挙げた。7歳時だけで3勝しており、衰えはなかった。2018年から東京大賞典3連覇中のオメガパフュームは今年で6歳。出走すれば年齢の壁を超えられるか注目だ。
（5）チャンピオンズC出走馬が中心
前走チャンピオンズC出走馬が6勝、2着4回、3着4回で勝率22.2％、3着内率51.9％。2018、2019年優勝時のオメガパフュームはチャンピオンズCに出走して5、6着。2017年1着コパノリッキーは前走チャンピオンズC3着、2016年1着アポロケンタッキーはチャンピオンズC5着からの参戦。左回りの中京ダート1800mと右回りの大井ダート2000mは互換性がなく、着順は度外視できる。チャンピオンズCで一桁着順なら問題ない。
1974年広島県生まれ。明治大学卒業後、1998年競馬専門紙『ホースニュース馬』入社。師匠は競馬評論家の井崎脩五郎氏。2008年同紙休刊後、フリーのレーシングライターとして活動中。
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