ヤングチャンピオンシップ
~生産地のプライドを賭けて駆け抜ける~2023.12.30(土)
ヤングチャンピオンシップは、ばんえい競馬では珍しいトライアルレースを経る選抜競走。北海道を5ブロックに分けて南北海道産駒特別、北央産駒特別、北見産駒特別、十勝産駒特別、釧路産駒特別の出生地区ごとに予選を行い、上位2頭に出走権が与えられる。生産頭数が多い十勝地区が過去15年で8勝を挙げているように、十勝産駒の活躍が目立つが、ここ近6年に限れば十勝産駒特別2勝(2019年キョウエイリュウ、2022年キョウエイプラス)、南北海道産駒特別1勝(2021年ヤマカツエース)、北央産駒特別1勝(2017年オレワチャンピオン)、北見産駒特別1勝(2020年アルジャンノオー)、釧路産駒特別1勝(18年アオノブラック) と5地区すべてが勝ち星を挙げており、力量差は詰まっている。別定条件で微妙な斤量差があるため、2歳三冠一冠目のナナカマド賞を制した馬でも、勝つのは容易ではない。実際に今季はナナカマド賞馬ホクセイポルシェが十勝産駒特別で3着に敗れて出走権を確保できなかったように、経験の少ない2歳馬にとってハンデを課せられた中で、能力を発揮することは難しく、波乱も十分に考えられる。

帯広記念 ~伝統の四市重賞ラストバトル~2024.1.2(火)
四市重賞(旭川記念、岩見沢記念、北見記念、帯広記念)の中で唯一のばんえいBG1格付けでばんえい記念に次いで格式の高いレースに位置付けられているのが、帯広記念。トップハンデは900キロを超える高重量戦。ただ、帯広単独開催になってからは走路の砂の摩耗が激しく、昨年度はアオノブラックが2分01秒7のレースレコードで快勝。一昨年度はキタノユウジロウが2分24分0で押し切りとスピード決着が続いている。注目は昨年度のばんえい記念を制し名実ともにばんえい現役最強馬となったメムロボブサップ。今季最初の重賞ばんえい十勝オッズパーク杯は8着に敗れたが、その後は北見記念でアオノブラックに敗れるまで、重賞3勝を含む6連勝と力を見せた。いまだ手にしていないタイトル。斤量差克服なら初制覇が期待できる。

天馬賞 ~明け5歳チャンピオンホース決定戦~2024.1.3(水)
天馬賞の勝ち馬16頭中、ばんえいダービー馬は9頭と半数以上を占めており、定量条件ということもあるが、昨年度の世代重賞成績が大きく反映されるレースと言える。
前述したとおり、3歳三冠馬は帯広単独開催になってからはメムロボブサップ、一頭だけだが、4歳三冠は2013年ホクショウユウキ、2016年センゴクエース、2017年マルミゴウカイ、2020年メムロボブサップの16年間で4頭が達成。その要因は斤量経験によるものが大きいだろう。3年間ほぼ同様の組み合わせで対戦を続け、コースも同じで勝負付けが済んだメンバー構成。格下の馬につけ入る隙があるなら、実績上位馬のミスくらいだが、荷物に不安がなければ、よほどの乱ペースにならない限り、失敗を犯す可能性は少なく、力通りの決着が多くなる。今季もここまでキングフェスタが圧巻の内容で柏林賞と銀河賞を制しており、三冠達成も十分。
3歳、4歳、2世代の三冠馬が1シーズンで誕生するのは、ばんえい競馬史上初の出来事だけに、より一層注目度が増す一戦。

上記で紹介したようにばんえいダービー、天馬賞は力通りに決まるだけに、ばんえい競馬初挑戦の方でも、比較的当てやすいレースですし、チャレンジされてみてはいかがでしょうか。ヤングチャンピオンシップ、帯広記念は別定条件で波乱の余地は十分にあり、高配当好きの方はこちらでばんえい競馬からのお年玉を狙ってみるのもいいかもしれませんね。