競馬ブックタイアップ 競馬プレミアムウィークの見どころ特集コラム

Vol. 03

盛り上がりを見せる競馬プレミアムウィーク。ばんえい競馬にも注目しよう!

執筆:競馬ブック 生駒有輝夫

 12月3日のばんえいオークスを皮切りに、BG1レースが続々と行われる12月~1月開催は、ばんえい競馬も注目レースが満載。特に重賞競走が4開催日連続で行われる12月29日、30日、1月2日、3日の年末、年始開催の見どころを中心に取り上げていくが、まずは、ばんえい競馬の紹介から始めたい。

 ばんえい競馬とは馬体重が約700キロ~1000キロ超えのばんば(重種)が最軽量で450キロ、最重量1000キロの鉄そりを曳き、200mの直線コースにある高さ1.1mの第1障害と1.6mの第2障害の二つの障害を越えてゴールを目指すパワーとスピードを競い合う世界で唯一、帯広競馬場だけで開催されている競馬。平地の競馬と異なる点はフルゲート10頭でオープンコースではなく、決められたコースを走るセパレートコースで実施され、ゴール到達は曳いているソリの後端がゴール線を通過しないと認められない。あと一番の違いは馬上に騎手が騎乗するのではなく、曳かれているソリの上に乗り、ゴールを目指す途中で馬を止める行為を行うこと。スタートからゴール前で一気に駆け抜けるレースは稀で基本的には休みながら第2障害へ向かうため、騎手の技量に大きく左右される競馬と言える。

 以前は旭川市、岩見沢市、北見市、帯広市の四市で開催されていたが、売り上げ低下で莫大な累積赤字をかかえたことにより、平成18年に旭川、岩見沢、北見が撤退を表明し、平成19年からは帯広市の単独開催を機に名称もばんえい十勝に変更され、その際に、重賞競走の整備が行われて、3歳三冠路線は四市開催時に確立していたが、2歳、4歳世代にも三冠路線が創設された。

 年末、年始開催では3歳三冠目のばんえいダービーが12月29日、2歳二冠目のヤングチャンピオンシップが12月30日、明け5歳三冠目の天馬賞が1月3日に行われる。それに加えて1月2日に古馬重賞の帯広記念が実施される。

帯広競馬場のスタンド。スタートからゴールまで、レースの全てを見渡すことができる。
高さ1.6mの第2障害。レースの行方を左右する、ばんえい最大のヤマ場。

ばんえいダービー ~ばんえい競馬への登竜門~2023.12.29(金)

 帯広単独開催になったこの16年間でばんえい記念を制した馬は11頭。その内ばんえいダービー馬は6頭と3歳世代チャンピオンを決めるだけではなく、今後の活躍への登竜門がばんえいダービー。数々の名馬が制しているばんえいダービーだが、3歳三冠を達成したのは2019年のメムロボブサップの一頭だけ。その理由として考えられるのは一冠目と二冠目が別定条件で行われるため、2歳シーズンで賞金を稼ぐとハンデを課せられて斤量面で厳しく、勝ちきることが難しくなる。もうひとつは初めて経験するシーズンオフで休催期間をうまく過ごせずに体調が整のわず、一冠目のばんえい大賞典で能力を発揮できなかったり、出走さえも叶わないことがあるため。ただ、今季はマルホンリョウユウが二冠を制して、3歳三冠に王手をかけている。これまでの2戦とは違い、定量条件だけに、偉業達成の可能性は高いだろう。

2023年/ばんえい菊花賞/優勝馬:マルホンリョウユウ
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