データ分析 Data Analysis

遠征馬の好走が目立つ3歳牝馬重賞

水沢競馬場で行われるグランダム・ジャパン3歳シーズンの対象レースには、他地区からの遠征馬が多く参戦。地元の岩手所属馬が3着以内を独占したことは過去10年では2016年の1度しかなく、逆に他地区からの遠征馬が3着以内を独占したことは、15年、20年、21年の3回もある。今年も遠征馬の動向には要注目。ここでは12~21年の過去10回から傾向を見ていく。

■南関東所属馬が好成績

過去10年で他地区から遠征してきた馬は40頭。その成績は8勝、2着6回、3着6回で、遠征馬の3着内率が50.0%となっている。なかでも南関東(大井、川崎、船橋、浦和)所属馬が5勝をマーク。ただし、南関東所属馬は2着が“ゼロ”となっているのが興味深いところだ。また、愛知からの遠征馬が3頭とも2着以内に入る好成績を残している。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
岩手 2 4 4 57 3.0% 9.0% 14.9%
南関東 5 0 3 5 38.5% 38.5% 61.5%
北海道 2 2 1 2 28.6% 57.1% 71.4%
愛知 1 2 0 0 33.3% 100.0% 100.0%
笠松 0 2 1 13 0.0% 12.5% 18.8%
兵庫 0 0 1 0 0.0% 0.0% 100.0%

■上位人気馬が優勢

過去10年の優勝馬はすべて単勝4番人気以内で、2着馬は8頭が4番人気以内。しかし3着には5番人気以下の馬が6頭も入っている。ただし、過去10年の3着馬はすべて、8番人気以内。また、最近5年は1番人気馬が3着以内を確保している。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 1 4 40.0% 50.0% 60.0%
2番人気 3 3 0 4 30.0% 60.0% 60.0%
3番人気 2 3 1 4 20.0% 50.0% 60.0%
4番人気 1 1 2 6 10.0% 20.0% 40.0%
5番人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
6番人気以下 0 2 5 50 0.0% 3.5% 12.3%

■前走時の馬体重も要チェック

過去10年で、前走時の馬体重が419㎏以下の比較的小柄といえる馬は30頭が出走したが、勝利を挙げたのは2017年の地元ダンストンレガーメ(前走時398㎏で、レース当日は400㎏)だけ。好成績を挙げているのは前走が420~439㎏だった馬で、440~459㎏も3勝、3着3回と上々の成績を残している。また、前走時の馬体重が480㎏以上だった馬も好成績。そのなかで3着以内に入った6頭のうち5頭は、他地区からの遠征馬だった。[表3]

[表3]前走馬体重別成績(過去10回)

前走体重 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
399㎏以下 1 0 0 7 12.5% 12.5% 12.5%
400~419㎏ 0 1 2 19 0.0% 4.5% 13.6%
420~439㎏ 4 6 1 14 16.0% 40.0% 44.0%
440~459㎏ 3 0 3 18 12.5% 12.5% 25.0%
460~479㎏ 0 1 2 12 0.0% 6.7% 20.0%
480~499㎏ 1 1 2 4 12.5% 25.0% 50.0%
500㎏以上 1 1 0 3 20.0% 40.0% 40.0%

■徐々に東日本が優勢に

2010年は笠松所属の4頭が4着までを独占し、15年は愛知、愛知、笠松の順で入るなど、東海地区所属馬の活躍が目立った重賞。しかし18年以降の4年は、3着内馬12頭のうち9頭が北海道または南関東からの遠征馬。地元馬は18、19年の2着のみと、上位入線馬の分布が変わってきている。

勝つのはこういう馬!

今年もおそらく、北海道と南関東所属馬の遠征がありそう。そのなかで単勝3番人気以内の支持を集めた馬が有力だ。ちなみに最近2年の勝ち馬は、前走時の馬体重が485㎏以上。徐々に馬格があるほうが優勢というかたちにシフトしているのかもしれない。

(文・浅野靖典)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。