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レースハイライト
 

2011年2月22日(火) 園田競馬場

ファイティングジョッキー賞 seisekimovie
エキサイティングジョッキー賞 seisekimovie
チャンピオンジョッキー賞 seisekimovie

第1戦 ファイティングジョッキー賞

第2戦 エキサイティングジョッキー賞

第3戦 チャンピオンジョッキー賞

観る者を惹き付ける名手の腕比べ
初出場の中西騎手が堂々頂点に

 1週前に全国を白く染め上げた雪が嘘のように、ゴールデンジョッキーカップ当日の園田競馬場は早春の暖かさに包まれた。全国から集まった2000勝以上の勝ち鞍を持つ熟練の12騎手を、ファンだけでなく季節さえもが歓迎したかのようにすら感じられた。
 今年は再び3つのレースによる総合ポイントで争われることになり、その第1戦はファイティングジョッキー賞。それなりのペースとなった1400メートル戦は2番手で流れに乗ったドリームバンブーが早目先頭で押し切り、1馬身半差をつけて快勝。父(バブルガムフェロー)を彷彿とさせる走りっぷりであったが、終いで伸びあぐねていた近走の結果から、下馬評は8番人気という低評価。単勝は1930円という波乱での幕開けとなった。鞍上は、昨年2000勝ジョッキー入りしたばかりの一人、高知の中西達也騎手である。
 第2戦は、1700メートル戦のエキサイティングジョッキー賞。一本かぶりのシルクダイドウは園田へ転入してからいい末脚を見せているとはいえ、いつもより後方からの競馬。ファンの顔に不安の色が走る。それを歓喜の色に変えたのが地元、古豪の有馬澄男騎手だ。黒光りする同馬を巧みに操り、最後の直線での烈しい叩き合いの末、勝利へと導いた。
 そして、いよいよ大詰めを迎えた最終戦。この時点でのトップは、中西騎手だ。だが、ほかの騎手にも逆転のチャンスはある。人馬ともに、一層の緊迫感が馬場に漂う。
 さらに距離の延びたチャンピオンジョッキー賞は、1870メートル戦。人気上位の1頭アクセルカフェの逃げで始まった。ぴったりとマークされる厳しい展開で、それら前方を見ながら虎視眈々と追走していた1頭がマイネルチハヤである。ゲートをゆっくり出て中団に位置取り、2周目の向正面で進出を始め、3コーナーでは3番手、4コーナーを回ると先頭へ踊り出て、いい伸びを見せて完勝。全国はもとよりいまや韓国でも大活躍している内田利雄騎手がその背で満面に笑みをたたえ、白い歯がこぼれた。
 全3戦とも勝利騎手は異なったが、第1戦で勝利を手にし、あとの2戦も5着、3着と健闘を続けた中西騎手が43ポイントを獲得して総合優勝。2位には第1戦で2着していた内田騎手が40ポイントで入賞。3位には、昨年294勝も収めた佐賀の山口勲騎手が入った。1着こそなかったものの4着と2着があったため高得点を加算でき、計30ポイントを稼ぎ出したのであった。大井の的場文男騎手も同ポイントを得ていたが、この場合、上位の着順を保持している者が優位となる。第2戦で勝った有馬騎手は1ポイントの差で辛くも5位であった。
 高度な技術を持つ者同士の腕比べは実に刺激的で、観る者を惹き付けてやまない。全レースを終えて帰途につくファンの満ち足りた表情に、今年もそれがありありと窺えた。
取材・文:芦谷有香
写真:三戸森弘康(いちかんぽ)

総合優勝
中西達也騎手
(高知)
ゴールデンジョッキーカップでの騎乗は、今回が初めてです。緊張して乗っていました(笑)。優勝できたのは、1戦目がうまくいったおかけです。後続の馬が来るのを待つよりも、手応えがあるうちに突き放す形がいいと思って乗りました。
総合2位
内田利雄騎手
このシリーズに乗るために、韓国から帰国しました。勝てた最終戦は、2周目の向正面で動いて行った時に勝てる手応えを感じました。1戦目(2着)で大事に乗り過ぎたことには悔いが残るけど、総合するとベストを尽くせたと思います。
総合3位
山口勲騎手
(佐賀)
乗った3頭は、6番人気、11番人気、11番人気と、人気がなかったので、気楽に乗れました。2度目の出場ですが、今回の3位は今後への自信に繋がります。来年、またここへ“戻って”きたいと思っています。

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