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連載

エンプレス杯〜名古屋大賞典(第34回)

エンプレス杯JpnII



 ラヴェリータは、いいスタートで3〜4番手あたりにつけましたが、すぐに抑えたことで外から何頭かにかぶされて、位置取りを下げて内に閉じ込められる形になりました。ネオグラティアに交わされたあとで、早めに外に出せばよかったと思いますが、そのあとにミラクルレジェンドにも外から来られて、外に出すタイミングがなくなってしまいました。これは厳しいところに入ったなと思いました。1周目のスタンド前で、武豊騎手は外に出したかったようですが、今度はすぐ外でコスモプリズムがぴったりマークしていて、出すところがありませんでした。向正面でも外に出せるようなタイミングがなく、もうこうなったら4コーナーまで内でじっとしているしかありません。ただ直線で内が開いたのは運が良かったですね。それにしても最後はよく伸びました。
 前の2頭、ブラボーデイジーとプレシャスジェムズはスローに落として先行し、完全にこの2頭で決まるような展開でした。ブラボーデイジーにとっては、直線で内を空けてしまったことで、ラヴェリータに差されてしまいました。外のプレシャスジェムズに馬体を併せに行っての結果ですが、残念でした。
 ミラクルレジェンドは直線で外から伸びてきましたが、4コーナーでは内が狙える位置にいたので、直線でラヴェリータと一緒に内を突いていればもしかして勝つチャンスはあったかもしれません。クリスチャン・デムーロ騎手も、まさか直線で内があんなに空くとは思わなかったでしょう。
 ただ、プレシャスジェムズを含めた4頭はほとんど差がなかったですから、ちょっとした展開でどの馬にも勝つチャンスはあったと思います。



名古屋大賞典JpnIII



 エスポワールシチーは、ブリーダーズカップ以来の休み明けでしたが、このあたりのメンバーではさすがにクラスが違いましたね。イイデケンシンがハナに行って、その2番手からでしたが、1周目のスタンド前あたりでは引っ張りきれないような手応えでした。2コーナーで先頭に立ったのは正解だったでしょう。まだまだ本来のデキではなく、八分くらいの仕上げだったと思いますが、貫録勝ちですね。このJpnIIIをひと叩きして、次あたりはさらによくなるのではないでしょうか。次はかしわ記念になるんでしょうか。フリオーソやスマートファルコンとの対戦となれば、楽しみです。
 ワンダーアキュートが3〜4コーナーでエスポワールシチーの直後まで差を詰めましたが、並びかけることはできず、最後は2馬身差をつけられました。このあたりは、やはり力の違いでしょう。



佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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