データ分析 Data Analysis

求められるのは高低差4.4mの起伏に耐える底力

地方馬として唯一JRAのGI(フェブラリーS)を勝利し、本レースの第2回優勝馬でもある岩手の雄メイセイオペラを称える夏の風物詩レース。二度の坂越えでパワーとスタミナが試される盛岡の中距離戦を、過去10年の傾向から探っていく。

JRA馬が優勢

過去24回のうちJRA馬の優勝が22回。地方馬で上位に入ったのは1着から3着まで1頭ずつで、南関東以外の地方馬では、20年にランガディア(岩手)が6番人気で3着に入ったのが唯一だ。[表1]

[表1]所属別成績(過去10年)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 9 9 9 22 18.4% 36.7% 55.1%
南関東 1 1 0 10 8.3% 16.7% 16.7%
岩手 0 0 1 41 0.0% 0.0% 2.4%
その他地方 0 0 0 28 0.0% 0.0% 0.0%

3着内馬の大半が6番人気以内

過去10回の3着内馬30頭のうち29頭が、単勝6番人気以内。16年に9番人気で2着に入ったタイムズアロー(船橋)が唯一の例外だ。1番人気は5勝を挙げているが、2着がなしというのは気になるデータ。また、3番人気は過去10回で未勝利となっている。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10年)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 0 2 3 50.0% 50.0% 70.0%
2番人気 2 3 0 5 20.0% 50.0% 50.0%
3番人気 0 4 2 4 0.0% 40.0% 60.0%
4番人気 2 2 2 4 20.0% 40.0% 60.0%
5番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気以下 1 1 2 77 1.2% 2.5% 4.9%

内枠または外枠が優勢

過去10回の優勝馬のうち、2ケタ馬番が4頭。1~3番も4頭で、8頭立ての6番が優勝した11年も含めると、外寄りの枠と内寄りの枠が好結果を残している。逆に2着は8頭立てだった11年を除くと、9頭のうち5頭が7~9番となっている。また、17年を除く9回で、7~10番が馬券にからんでいる。[表3]

[表3]3着以内の馬番(過去10年)

11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年
頭数 8 14 12 13 14 14 14 14 14 14
1着 6 14 3 9 14 13 2 10 1 3
2着 9 9 9 11 7 1 3 8 3 9
3着 7 4 2 5 12 10 5 14 9 1

注記:11年は2番が出走取消、13年は6番が出走取消

ベテラン勢も健闘

もっとも高い勝率を記録しているのは4歳。連対率と3着内率は5歳がトップになっている。6歳も健闘していて、3着内率は26.7%。8歳以上は率の上では低い数字になっているが、JRA馬に限ると7頭のうち4頭が3着以内に入っている。[表4]

[表4]年齢別成績(過去10年)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 3 2 1 14 15.0% 25.0% 30.0%
5歳 2 3 2 9 12.5% 31.3% 43.8%
6歳 3 2 3 22 10.0% 16.7% 26.7%
7歳 2 0 2 31 5.7% 5.7% 11.4%
8歳以上 0 3 2 23 0.0% 10.7% 17.9%

前走が重賞またはオープン特別戦で2着以内だった馬が優勝

過去10回の優勝馬の前走は、“ダート1800m以上の重賞”か、“JRAのオープン特別戦で2着以内だった”かのどちらかだ。15年に優勝したユーロビート(大井)も、前走が帝王賞JpnIで4着という成績から臨んでいた。また、15年を除いて「2走前までに左回りのダート2100m以上のレースに出走していた」という経歴を持つ馬が3着以内に1頭以上入っているデータが興味深い。

勝つのはこういう馬!

今年も勝つ可能性が高いのは『JRA所属馬。そのなかで単勝4番人気以内に支持された、内寄りまたは外寄りの枠からスタートする馬』に注目したい。そして前走の成績にも要注目。19年はアンタレスステークスGIIIでの2着から臨んだグリム(JRA)が勝利したが、それ以外の年の優勝馬で前走が重賞だった馬は、その着順が4~9着だった。

(浅野 靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。