データ分析 Data Analysis

秋のダートマイル 頂上決戦!

短距離から中距離までさまざまな路線のトップホースが集う。秋のダートGI/JpnI初戦として重要な一戦。昨年はアルクトスがダート1600mの日本レコードを樹立しており、高速ダートへの対応も求められる。ここでは過去9年のデータから傾向を分析していく。

JRA馬が圧倒

JRA馬が9勝、2着9回、3着8回と馬券圏内をほぼ独占。地方馬は02年のトーホウエンペラー(岩手)を最後に勝っていないが、20年はモジアナフレイバー(大井)が3着に健闘している。基本的にはJRA馬中心で、地方馬は連下候補まで。[表1]

[表1]所属別成績(過去9年)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 9 9 8 32 15.5% 31.0% 44.8%
岩手 0 0 0 34 0.0% 0.0% 0.0%
地方その他 0 0 1 38 0.0% 0.0% 2.6%

5歳馬が優秀

3歳から8歳まで幅広い世代からそれぞれ優勝馬が出ているが、中でも5歳馬が優秀で3勝、2着4回、3着2回と、9頭馬券に絡んでいる。次に多いのは7歳馬で2勝、2着0回、3着4回。8歳以上も3頭が馬券にからんでいるが、12~15年のもので、16年以降は7歳以下での決着となっている。[表2]

[表2]年齢別成績(過去9年)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 0 0 2 33.3% 33.3% 33.3%
4歳 1 2 0 12 6.7% 20.0% 20.0%
5歳 3 4 2 22 9.7% 22.6% 29.0%
6歳 1 2 2 26 3.2% 9.7% 16.1%
7歳 2 0 4 21 7.4% 7.4% 22.2%
8歳以上 1 1 1 21 4.2% 8.3% 12.5%

勝ち馬は外枠から

勝ち馬9頭中7頭が10番より外。外枠有利の傾向は、3コーナー付近の下り坂を利用した外差しが決まるということが考えられる。ただし2、3着馬では7番より内が10頭いるため、必ずしも内枠が不利というわけではない。[表3]

[表3]3着以内馬の馬番(過去9年)

12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年
頭数 13頭 13頭 15頭 15頭 13頭 16頭 14頭 16頭 16頭
1着 10 8 10 12 12 11 12 3 14
2着 6 12 9 1 13 3 7 4 5
3着 1 10 5 14 10 9 3 13 2

注記:12年は5番競走除外。16年は4番出走取消。

1、2人気が軸だが近年波乱も

1番人気は5勝、2着2回、3着1回で勝率55.6%、3着内率88.9%で、まず軸として信頼できる。2番人気は2勝、2着4回、3着1回で勝率22.2%、3着内率77.8%。1、2番人気が揃って2着以内から外れたことはなく、上位人気馬は安定している。ただし近3年は1番人気が勝っておらず、昨年は6→2→7番人気の決着で3連単は11万円。さらに17、18、20年には5~7番人気が馬券にからんで、近年はやや波乱の年もあった。[表4]

[表4]単勝人気別成績(過去9年)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 2 1 1 55.6% 77.8% 88.9%
2番人気 2 4 1 2 22.2% 66.7% 77.8%
3番人気 0 0 1 8 0.0% 0.0% 11.1%
4番人気 1 1 2 5 11.1% 22.2% 44.4%
5番人気 0 0 3 6 0.0% 0.0% 33.3%
6番人気以下 1 2 1 82 1.2% 3.5% 4.7%

リピーターが活躍

盛岡コースが得意な馬が連覇を果たしたり、リピーターとなるケースが多い。06~08年にはブルーコンコルドが3連覇を達成。その後も12、13年にエスポワールシチーが連覇、14、15年に連覇を果たしたベストウォーリアは16年にも2着に入り、16、17年はコパノリッキーが連覇。また、20年に6番人気で優勝したアルクトスは、前年2番人気で2着に好走していた。

高速ダートへの対応が鍵

20年にアルクトスがマークした勝ちタイム1分32秒7は、01年に東京競馬場(武蔵野ステークスGIII)でクロフネがマークした1分33秒3を更新するダート1600mの日本レコード。この年はクラスターカップJpnIIIでもダート1200mの日本レコードが出ており、高速ダートへの対応力が問われる。

勝つのはこういう馬!

18年2着のゴールドドリーム、19年優勝のサンライズノヴァ、20年優勝のアルクトスと、3年連続で1頭しか出走していない『JRAの5歳馬』が連対。南部杯だけでなく、『盛岡コースに実績があるJRA馬』は積極的に狙える。

(栗田 勇人)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2011年は震災復興のため東京競馬場で実施。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。