データ分析 Data Analysis

夏の訪れを告げる牝馬のマイル決戦

グランダム・ジャパン古馬シーズンの第2戦にあたり、JRA所属馬と地方馬が夏の川崎を舞台に激突する。2021年はサルサディオーネ(大井)が逃げ切りを決め、地方馬による久々の勝利となった。20年Vのファッショニスタは秋のJBCレディスクラシックを制すなど、秋の大一番に向けても重要な位置づけとなっている。12年~21年の過去10年から傾向を分析する。

JRA所属馬と大井所属馬による争い

2021年は大井所属のサルサディオーネが勝ち、08年トーセンジョウオー以来の地方馬による勝利となったが、20年まではJRA勢が圧倒。こちらを中心に考えるのがセオリーとなっている。対して地方馬は大井所属馬を除けば、2着と3着が各1回と苦戦傾向。JRAに風穴をあけるとしたら大井所属馬と見るべきだ。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 9 7 6 17 23.1% 41.0% 56.4%
大井 1 2 3 13 5.3% 15.8% 31.6%
船橋 0 1 0 16 0.0% 5.9% 5.9%
浦和 0 0 1 10 0.0% 0.0% 9.1%
川崎 0 0 0 15 0.0% 0.0% 0.0%
その他 0 0 0 16 0.0% 0.0% 0.0%

3番人気までが好成績

人気順に好結果を残しており、勝利があるのは4番人気まで。5番人気以下は2着1回、3着4回のみと一気に好走数が激減していて、穴馬の激走にはほとんど期待が持てない。数字を見るとV候補は3番人気までと判断するのが無難。買い目を絞って的中を目指したい。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 2 3 40.0% 50.0% 70.0%
2番人気 3 3 1 3 30.0% 60.0% 70.0%
3番人気 2 3 2 3 20.0% 50.0% 70.0%
4番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
5番人気以下 0 1 4 72 0.0% 1.3% 6.5%

55、56キロのJRA所属馬が狙い目

負担重量別の成績を見てみると、55キロと56キロが各4勝。連対数では55キロが11回と56キロを上回っているが、のべ出走数が78頭とダントツに多いため、各項目の率は56キロのほうが優秀。ただし、[表4]のようにJRA所属馬だけに絞ってみると、勝率に差はなく、連対率、3着内率では55キロが56キロを上回る結果となった。55、56キロを背負うJRA所属馬には要注目。[表3][表4]

[表3]負担重量別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
52キロ 1 1 0 6 12.5% 25.0% 25.0%
54キロ 0 0 1 1 0.0% 0.0% 50.0%
55キロ 4 7 3 64 5.1% 14.1% 17.9%
56キロ 4 2 3 11 20.0% 30.0% 45.0%
57キロ 0 0 2 3 0.0% 0.0% 40.0%
58キロ 1 0 1 2 25.0% 25.0% 50.0%

[表4]JRA所属馬の負担重量別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
52キロ 1 1 0 2 25.0% 50.0% 50.0%
54キロ 0 0 1 1 0.0% 0.0% 50.0%
55キロ 4 5 0 6 26.7% 60.0% 60.0%
56キロ 3 1 2 5 27.3% 36.4% 54.5%
57キロ 0 0 2 1 0.0% 0.0% 66.7%
58キロ 1 0 1 2 25.0% 25.0% 50.0%

4コーナー4番手以内が連対条件

小回りの川崎1600メートルが舞台なだけあって、逃げ・先行馬が断然有利。過去10年の連対馬はすべて4コーナーで4番手以内につけており、差し馬は評価を下げる必要がある。前でレースを組み立てられる器用さが求められると言えそうだ。また出走数こそ多くはないものの、ヴィクトリアマイルGI(東京芝1600メートル)で前走大敗していた2013年のメーディア、18年のリエノテソーロがこのレースを勝利。同18年のラビットランは3着と全頭が巻き返しに成功している。前走の着順に関係なく、この路線から参戦してきた馬は押さえておきたい。

勝つのはこういう馬!

負担重量55、56キロを背負う上位人気のJRA所属馬で、逃げ、先行馬ならV有望といえる。

(前田 恒)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。