データ分析 Data Analysis

JBCクラシックと同舞台での一戦

盛岡競馬場のダートコースは4.4mの高低差が大きな特徴で、力強さと底力が必要となる。今年の11月3日には盛岡で2014年以来、3度目となるJBC3競走が実施されるが、この2000mはJBCクラシックJpnIと同じ舞台。前回の14年は、同年の本競走でコース経験があったクリソライト(JRA)がJBCクラシックでも2着に入っている。ここでは12年~21年の過去10年から傾向をみていく。

JRAの関西馬が優勢

地方馬が勝利を飾ったのは2015年のユーロビート(大井)だけ。その翌年には船橋のタイムズアローが2着に入り、20年に地元岩手のランガディアが3着に入ったが、それ以外の3着内馬はすべてJRAとなっている。なかでも関西馬が7勝、2着6回と活躍。3着内率は56.3%となっている。関東馬も勝率と連対率では関西馬より低いが、3着内率は50.0%と上々の数字になっている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 7 6 5 14 21.9% 40.6% 56.3%
JRA美浦 2 3 4 9 11.1% 27.8% 50.0%
南関東 1 1 0 11 7.7% 15.4% 15.4%
岩手 0 0 1 45 0.0% 0.0% 2.2%
上記以外 0 0 0 27 0.0% 0.0% 0.0%

上位人気馬が優勢

JRAの出走枠は5頭。当然のことながら、JRA馬が上位人気馬に推されることが多い。しかしながら、単勝3番人気に支持された馬の勝利がゼロというのは特徴的。また、5番人気が2着以内に入っていない点も興味深い。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 2 3 40.0% 50.0% 70.0%
2番人気 2 3 1 4 20.0% 50.0% 60.0%
3番人気 0 3 2 5 0.0% 30.0% 50.0%
4番人気 3 2 1 4 30.0% 50.0% 60.0%
5番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気以下 1 1 2 82 1.2% 2.3% 4.7%

ベテラン勢は苦戦ぎみ

年齢別に成績をまとめてみると、もっとも好成績を残しているのが5歳。連対率と3着内率では4歳が2番手で、6歳は3着以内に7頭が入っているが、率としては3番目になっている。7歳は2012年にシビルウォー、2014年にナイスミーチューが勝利したが、近5年の連対馬はすべて6歳以下。徐々に若い世代が優勢という傾向に変わっているのかもしれない。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 2 3 1 14 10.0% 25.0% 30.0%
5歳 3 3 1 10 17.6% 35.3% 41.2%
6歳 3 1 3 21 10.7% 14.3% 25.0%
7歳 2 0 3 32 5.4% 5.4% 13.5%
8歳以上 0 3 2 27 0.0% 9.4% 15.6%

前走がオープン特別だった馬も健闘

JpnIIIのマーキュリーカップに出走する馬で、前走がGI/JpnIというのは少数派。そのなかで勝利を挙げた2012年シビルウォー、15年ユーロビートには「前走が帝王賞で7番人気・4着」そして「マーキュリーカップで大外枠」という共通点がある。臨戦過程の中心は前走がJRAまたはダートグレード競走だった馬だが、前走がJRAのオープン特別だった馬も上々の成績。JRA馬に関しては、前走が大敗でも侮れない。[表4]

[表4]前走レース別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
GI/JpnI 2 2 1 9 14.3% 28.6% 35.7%
GI/JpnI以外のDG競走 6 2 5 13 23.1% 30.8% 50.0%
JRAのオープン特別 2 5 3 10 10.0% 35.0% 50.0%
上記以外 0 1 1 74 0.0% 1.3% 2.6%

勝つのはこういう馬!

JRAの関西所属の4~6歳馬で、1~2番人気または4番人気に推された馬が有力だ。前走がGI/JpnI以外のダートグレード競走だった馬にも要注目だ。

(浅野 靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。