
2歳ダートチャンピオン決定戦
2歳ダート路線の総決算で、実力馬たちが川崎に集結する。2023年の覇者フォーエバーヤングは翌年に海を渡るとサウジダービーG3、UAEダービーG2と連勝。今年はサウジカップG1、ブリーダーズカップクラシックG1を勝利し、世界のトップとして大活躍を見せている。また、今年のダート二冠馬ナチュラルライズや地方馬として初めてJBCクラシックJpnIを制したミューチャリーも2歳時に出走。国内外を問わず、今後のダート界を背負う存在が参戦してきた歴史を持つ。ここでは15~24年の過去10回の結果から傾向を探る。
6勝を含む10連対のJRA栗東がトップで、美浦が2勝、2着5回とJRAが優勢だが、地方馬の健闘も目立つ。地方馬は10頭が馬券圏内に好走。南関東の川崎(2019年ヴァケーション)、船橋(20年アランバローズ)が勝利し、浦和は2着1回、3着2回、大井は3着1回となっている。地方他地区の3着3回は全て北海道。ただ、過去10回のうち8回はJRAのワンツーで、高確率でJRA同士の組み合わせとなっているが、3着までの上位独占は18、22年の2回のみ。3着に地方馬が好走しているパターンが多い。[表1]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| JRA栗東 | 6 | 4 | 0 | 16 | 23.1% | 38.5% | 38.5% |
| JRA美浦 | 2 | 5 | 3 | 14 | 8.3% | 29.2% | 41.7% |
| 南関東 | 2 | 1 | 4 | 32 | 5.1% | 7.7% | 17.9% |
| 地方他地区 | 0 | 0 | 3 | 38 | 0.0% | 0.0% | 7.3% |
5勝の1番人気、連対率で1番人気を上回る2番人気、3着内率50.0%の3番人気と中心は人気馬。3番人気以内での1・2着は7回あり、1頭も連対できなかったのは2019年しかない。6番人気以下の伏兵で3着以内に好走したのは6頭いるが、JRAは20年3着ルーチェドーロ(8番人気)のみ。人気薄を狙うとしたら実力を示しながらもJRA勢の陰に隠れている地方馬が狙い目。[表2]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| 1番人気 | 5 | 0 | 2 | 3 | 50.0% | 50.0% | 70.0% |
| 2番人気 | 2 | 5 | 0 | 3 | 20.0% | 70.0% | 70.0% |
| 3番人気 | 1 | 3 | 1 | 5 | 10.0% | 40.0% | 50.0% |
| 4番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
| 5番人気 | 2 | 0 | 1 | 7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
| 6番人気以下 | 0 | 1 | 5 | 74 | 0.0% | 1.3% | 7.5% |
JRA馬の好走パターンは『ダートで無敗』か『ダートで連勝中』(もしくは両方を満たす)がほとんど。JRAの勝ち馬8頭全て、2着馬9頭のうち6頭が該当していた。ちなみに2018年1着ノーヴァレンダは新馬戦が競走中止で無敗馬ではないが、その後はダートで2連勝。実質的にはダート無敗馬にカウントしてもいい存在だった。2つの条件に当てはまらず2着に入ったのは3頭。16年シゲルコングと24年ハッピーマンは、2走前に負けていたが前走を勝利してここへ。21年コンバスチョンは新馬戦から2連勝し、前走の兵庫ジュニアグランプリJpnIIで勝ちに等しいクビ差2着だった。前走ダートで勝ち切れていない馬のほとんどが連対できていないと覚えておきたい。[表3]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| ダートで無敗 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
| ダートで連勝中 | 2 | 3 | 0 | 4 | 22.2% | 55.6% | 55.6% |
| 上記両方を満たす | 5 | 3 | 2 | 7 | 29.4% | 47.1% | 58.8% |
一方、3着以内に好走した地方馬10頭のうち8頭には、ダートグレードか南関東の地方限定重賞で連対実績があった。同実績がある馬は少なくないが、ない馬は3着2回となっており、JRA以上に重賞実績が求められる結果となっている。[表4]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| DGか南関東の地方限定重賞1着 | 2 | 0 | 4 | 19 | 8.0% | 8.0% | 24.0% |
| DGか南関東の地方限定重賞2着 | 0 | 1 | 1 | 6 | 0.0% | 12.5% | 25.0% |
| 上記両方ともなし | 0 | 0 | 2 | 45 | 0.0% | 0.0% | 4.3% |

8勝のJRAが中心で、ダートで底を見せていないか勢いがある馬。騎手で言えば元南関東のトップジョッキー戸崎圭太騎手(美浦所属)の2勝はともに栗東の馬で、複数回勝利も過去10回で唯一。騎乗があれば注目だ。
(文・スポーツ報知・浅子祐貴)

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注記
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