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第22回 2013年7月10日(水) 台湾ラーメン(名古屋競馬場)

名古屋競馬場
「えびすや」 台湾ラーメン(660円)

 名古屋には地域限定の食べ物がたくさんあるが、そのなかで特徴的といえるのが「台湾ラーメン」。なぜ、名古屋で台湾ラーメンなのかは諸説あるようだが、市内の有名店のそれは恐ろしく辛くて、汗がドバドバ湧いてきてしまうというシロモノだ。それでもその店はいつも混雑しているのだから、これはもう名古屋名物のひとつとして定着しているということになるのだろう。
 ただ、それほど辛くない台湾ラーメンもある。そもそも「これが正しい台湾ラーメン」というものがあるのかどうかもいささか怪しい。とりあえず、豚挽き肉とニラやモヤシなどを炒めて辛く味付けした具が醤油ベースのラーメンに入っていれば、台湾ラーメンとして提供しても文句を言われない最低レベルになるようだ。
 名古屋競馬場の入場門を入って右側にある「えびすや」の台湾ラーメンも、この店の独自の味がする。店の入口で注文して席につき、数分後に出てきた台湾ラーメンをさっそく味わっていく……。やっぱり汗がドバドバ出てきた。それほど辛くはないんだけどなあ。
 店を出るときご主人に「ラー油はオリジナルで作っているんですか?」と聞いてみると、「ラー油は使っていないですよ」という返事だった。すると、「じゃあ、作っているところを見せてあげる」と言われたので、お言葉に甘えて厨房の横で見学させていただくことにした。
 コンロの上の中華なべに油を入れて、最初にサッとひき肉を炒め、続いてニラとモヤシなどを追加。そして中華なべに赤いペースト状の物体が投入された。なるほど、辛さの素は豆板醤でしたか!
 「私も店が休みのときには食べ歩きをしますけど、辛いだけの台湾ラーメンというのはあまり好きじゃないんですよね」
 店主のアレンジが加わった名古屋競馬場の台湾ラーメンは、味付け的には有名店のものより薄めに感じるが、そのぶんあっさりと口に入っていく。それでも刺激はしっかりあるので、予想に使う脳みそは十二分に覚醒させられる。暑い夏こそホットな食事。いい汗をかけば元気百倍!?

文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。