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第27回 2013年12月10日(火) スパゲティ・イタリアン(笠松競馬場)

笠松競馬場
「カフェ・イルファンティーノ」 スパゲティ・イタリアン(600円)

 屋台フードが軒を連ねる笠松競馬場において、異彩を放っているのが「カフェ・イルファンティーノ」。競馬場内にありながらも街中の喫茶店の雰囲気を感じさせるこの店は、店頭に飾られているイタリアの国旗カラーの看板とともに、すっかり定着している感がある。
 メニューが多彩なのもこの店の特徴。この日のおすすめは店頭の黒板によると、「本日のランチ」を筆頭に、「本日のパスタ」「ふわふわたまごのオムライス」「ビーフカレー」がメインの模様。どうしようかなと考えつつ店内に入ると、レジのところに「名古屋めし・イタリアン」の文字が目立つポスターが貼ってあるではないですか。
 いわゆる「名古屋めし」はいろいろあるけれど、そういう特徴的なものを食べたことがあまりない。ひつまぶしと味噌煮込みうどん、名古屋競馬場でも食べた台湾ラーメン、あとはきしめんぐらいかなあ。しかしイタリアンとはこれいかに。いったいどんな味なのか、今日の昼はこれにしよう!
 数分ののちに現れたのは、見た目はナポリタンっぽいもの。ただ、私が知っているナポリタンよりはカプサイシンの刺激が鼻をつつく感じがする。実際の味はと食べてみると、うん、やっぱり辛味成分が入っている。色を見てのイメージのとおり、トマト成分もいわゆるナポリタンより濃い感じだ。
「へえ、なかなかうまそうですね。ぼくはここに来ると、いつもオムライスなんですけれど」
 と、一緒に店に入った地元の競馬ファン。そちらもたまご、チキンライス、デミグラスソースの調和が美しくて、いかにもおいしそう。そしてイタリアンもオムライスも、そこに含まれている味が深いという印象だ。
周囲とは違う雰囲気のお店

 そうか、この店は基本的に大人しか来ない店。だったらいわゆるレトルト的な、誰に対しても無難だけれどインパクトが少ない味ではなくて、もっと主張する味付けをすることができるわけか。そしてそれが、競馬場という非日常空間にピッタリとハマっているのかも。
 辛味成分のおかげで顔からはうっすらと汗が出てきたが、食後の感想はまさに「心に残る食事ができた」というもの。これだけの食事ができる店があることは、笠松競馬場の魅力のひとつといってもいいだろう。そういえば、イタリアンとナポリタンの違いについてマスターに聞くのを忘れてたわ~。ちなみにあとで調べたら、「名古屋ではナポリタンをイタリアンと呼ぶことが多く、店によって違うアレンジがされている」ということらしい。ま、ナポリもイタリアの都市名だから、基本的に同じということでいいのかな?

オムライスもおいしそう

文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。