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第98回 2016年9月20日 アポロピンク

写真提供:高橋 華代子さん
Profile
 今年のプロ野球は25年ぶりに広島カープがセ・リーグ優勝したことでも話題になりました。遡ること、1991年の南関東競馬はどんな馬が重賞レースで優勝していたんだろう。どんどん興味がわいてきたので調べてみました。

 東京ダービー優勝アポロピンク(鈴木啓之騎手)、東京大賞典優勝ボールドフェイス(堀千亜樹騎手)、帝王賞優勝チャンピオンスター(高橋三郎騎手)、川崎記念優勝ダイコウガルダン(早田秀治騎手)など……。

 当時、牝馬で4頭目の東京ダービー馬となったアポロピンクは、今年28歳になりました。

 現役時代から所有されている馬の友舎代表の林勝宗オーナーの大切な愛馬として、繁殖牝馬を卒業した今でも功労馬として余生を過ごしています。最高の幸せを手にしたアポロピンク。

 第二の故郷となった新ひだか町のレースホースさんで悠々自適な毎日。午後1時から午前7時までの昼夜放牧で、若い繁殖牝馬たちと一緒の放牧地で過ごしているそうです。

 若い頃は放牧地の親分的な存在として、人間には優しい性格も、他の繁殖牝馬には噛みつきにいくようなきつさも見せていたそうで、一緒にいる仲間たちはアポロピンクから逃げていたというお話しを聞いたこともあったのですが、数年前からはすっかり大人しくなったそうです。

 今でも歯は丈夫だそうで、食べる量は少な目でも、内容は若い繁殖牝馬と同じものを食べているそう。しっかり食べられることも若さの秘訣でしょう。

 2年後には30歳を迎えるアポロピンク。「このまま同じ放牧地でのんびり過ごして欲しいです」(高萩芳亘場長)。

 私は昨年の秋におじゃましたんですが、5、6年前とはすっかり変わり、『おばあちゃん』と呼びたくなるような優しい雰囲気を醸し出していました。しかし、その中でも時より見せる凛とした品のある佇まいは変わらず印象的で、この馬が東京ダービー馬なんだなと、しみじみと……。

 25年前の東京ダービー馬にまたこうやって会わせて頂けたこと、南関東競馬ファンの1人としてもすごく幸せな時間でした。
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など