ウェブハロン

ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。

佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!

2020年4月3日(金)

第106回 エンプレス杯~ダイオライト記念

エンプレス杯 JpnⅡ

先行争いが激しくなったぶん、直線勝負のアンデスクイーンの末脚が生きることになりました。川崎2100メートルでは、最初のスタンド前で普通はペースが落ち着きますが、今回はとにかく前半のペースが速かった。これほど縦長の展開になるのはめずらしいです。アンデスクイーンは中団よりうしろからの追走でしたが、ルメール騎手のペース判断がよかった。たしかに馬の能力も高いですが、慌てることなく乗っていました。3、4番手を追走していたプリンシアコメータとラインカリーナが4コーナー手前で先頭に立ちましたが、これを直線で交わすのはあっという間でした。2、3着馬も含めて、今回のような展開になると後方で脚を溜めていた馬が圧倒的に有利でした。

B級から挑戦だったナムラメルシーの2着もがんばりました。人気薄だったので気楽に乗れたこともあったと思いますが、3~4コーナーではアンデスクイーンよりさらにうしろ。そのぶん直線で伸びました。

スタート後、先行争いとなった3頭は、うしろで離れてのゴールでした。内枠のクレイジーアクセルがハナに立って流れが落ち着くかと思いましたが、抜群のダッシュを見せたシークレットアリアはすぐに引いたものの、サルサディオーネが競りかけて行きました。さすがにこの距離でこれほど競り合っては最後までもちません。3コーナーで一杯になってしまいました。ただ、いずれも逃げて結果を残している馬たちだけに仕方ありません。

黒船賞 JpnⅢ

逃げたラプラスが一気にスピードで押し切りました。ダッシュ力があって、スピードもあって、道悪だったのも逃げ馬には有利でした。ハイペースで飛ばして行って、最後までバテないのでは、うしろから行った馬はかないません。ダートで連勝してきて、前走は負けていましたが、地方初参戦でこのレースぶりなら、これから地方での活躍が期待できそうです。

2着のテーオージーニアスは、前残りの展開でよく追い込んで来ました。1コーナーを回ったのはほとんど最後方という位置取りで、それでも向正面で早めにじわじわと位置取りを上げていったのがよかったと思います。岩田騎手の好騎乗でした。馬場が良ければもっとこの馬に展開が向いたかもしれません。

2番手を追走したサクセスエナジーは、前との差を詰められませんでした。最後、テーオージーニアスに交わされての3着は、2キロ重い斤量差もあったと思います。

4番手を追走したサクラレグナムは、4コーナーで内を突いて、直線一旦は2着かという場面もありました。11歳でもよく走っています。

ダイオライト記念 JpnⅡ

アナザートゥルースはスタートがあまりよくありませんでしたが、行く馬がいないと見て先頭に立って行きました。スタート直後、一旦先頭に立ったのはヤマノファイトでしたが、本来逃げる馬ではないですから、そのことでもペースが遅かったことがわかります。アナザートゥルースが最初の3コーナーで先頭に立つと、あとはマイペース。ようやくペースが上がったのは向正面に入ってからでした。最後の4コーナーでも手応えは楽なままで、ムチを使ったのは直線半ばを過ぎてから。スローで逃げられたアナザートゥルースには楽なレースでした。

ウェスタールンドは、もう少し前につけるかと思いましたが、中団よりうしろからでした。3番枠だったこともあって、馬群の内を追走。あと一段前につけていれば結果は違ったかもしれません。また外目につけていれば早めに仕掛けて行けたかもしれませんが、ようやく外に持ち出したのが2周目の向正面でした。ほかの馬が仕掛けてからの追い出しでしたから、前をとらえることはできませんでした。力があるのは確かですが、逃げ馬にスローで逃げられたのでは、仕掛けるタイミングも難しいです。それでもよく2着に来ました。

普段であればもっと後ろからの追走となるサウンドトゥルーですが、ペースが遅かったことで早めに差のない4番手につけました。3コーナーから先頭のアナザートゥルースを負かしに行って、結果的に差をつけられてのゴールになりましたが、勝ちに行っての3着はよく頑張りました。

佐々木竹見(ささきたけみ)

元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。