
12月24日中島記念佐賀 ダート1800m
有馬記念と同様に、ファン投票の結果によって出走馬の選定が行われる、地元所属馬限定の重賞競走。ファン投票の上位9頭と記者選抜の3頭に出走権が与えられる。
昨年は中央重賞2勝の実績を誇るグレイトパール、ファン投票で最多票を獲得したミスカゴシマ、前年のダイヤモンドカップ、東北優駿を制したリュウノシンゲン、転入緒戦を快勝した元オープン馬シャンパンクーペをはじめとする錚々たる面々が顔を揃え、年末の大一番に相応しいメンバー構成となった。その激戦を正攻法の競馬で勝ち切ったリュウノシンゲンは、翌年も勢いそのままに重賞2勝の活躍を見せた。休み明け2戦の走りっぷりは冴えないが、今年も出走してくるようなら注目の一頭となる。

12月27日あての木賞金沢 ダート1500m
金沢デビュー馬限定の2歳戦。昨年は降雪の影響で取り止めになったが、2016年に準重賞に格上げされてからは、のちに金沢の3歳重賞路線で活躍する馬の臨戦が目立つようになってきたのは確かだ。
2016年の勝ち馬ヴィーナスアローは翌年の石川ダービーを制覇。2021年の勝ち馬スーパーバンタムは翌年に北日本新聞杯、石川ダービー、西日本ダービー(園田)を含む重賞5連勝の活躍を見せている。
金沢競馬ではネクストスター競走が9月下旬に設けられ、重賞競走の体系も全体的に早期化した。それに合わせて例年より仕上げを早めてきた陣営も多くあるだろうが、早期デビューが果たせなかった馬のなかにも高い潜在能力を秘めた馬はいるはず。翌年を見据えてゆっくりと力をつけてきた大物の登場に期待したいところだ。

12月28日ホープフルステークスJRA中山 芝2000m
2017年に格上げされたばかりでGⅠ競走としての歴史は浅いが、2018年には皐月賞馬サートゥルナーリア、2019年には中央クラシック三冠馬コントレイルが制した競走であり、翌年のクラシック戦線を見据えるうえで大事なレースになっている。
昨年はドゥラエレーデが14番人気の低評価を覆して優勝。2.3着にもそれぞれ7番人気トップナイフ、6番人気キングズレインが入り、三連単は200万円を超える配当となった。
キャリアの浅い2歳馬による競走ゆえに、気性面、肉体面で急激な成長を見せてくる馬が多く、今年もあっと驚くような結末が待っている可能性は大いにありそうだ。

12月28日金の鞍賞高知 ダート1400m
高知競馬の2歳チャンピオン決定戦。昨年はユメノホノオが2着馬に2秒1もの大差をつける圧勝を演じ、重賞初制覇を果たしている。そのユメノホノオは今年、黒潮皐月賞、高知優駿、黒潮菊花賞を含む8戦8勝(11月末時点)の大活躍を見せた。
生え抜きのスターホース誕生の背景には、業績向上による賞金増の影響もあると言えそうだ。2009年度には27万円だった当競走の1着賞金も、昨年度には約30倍となる800万円になっており、高知優駿は27万円から1600万円へ、大晦日に行われる高知県知事賞も135万円から2000万円へと増額。平場の競走も軒並み賞金増で、高い潜在能力を秘めた2歳馬が高知からデビューするケースも増えてきた。
近年、より注目度を増してきたレースと言えよう。

12月29日東京大賞典大井 ダート2000m
ダート競馬の総決算として行われる、地方競馬で唯一のGⅠ競走。同時期に行われるチャンピオンズカップよりもレースレーティングが上に来たケースもあり、出走馬のレベルは中央GⅠと同等と言っていいほどだ。
2018年から2021年にかけて4連覇を果たしたオメガパフュームの偉業が記憶に新しいが、その絶対王者が引退したことにより、昨年は混戦模様のなかで行われることとなった。その混戦を制したのは、ダート転向を機に頭角を現しつつあったウシュバテソーロであった。当時は重賞初挑戦の身であったが、ここでGⅠ初制覇すると、続く川崎記念、ドバイワールドカップを連勝。今や名実ともに世界レベルの馬と言える存在に成長した。
白砂に替わったことでレースの質は変わってきそうだが、今年は同舞台でJBCクラシックが行われていただけに、それを参考にしてみるのもいいだろう。

12月30日金杯水沢 ダート1600m
1995年より3歳戦として1月の初めに行われていた競走だが、今年度は暮れの2歳戦として施行される。
昨年度の覇者ミニアチュールは、全体的にレベルの高い馬が集う門別で経験を積み、水沢への移籍を機に素質を開花させたという経歴を持つ。転入2戦目で当競走を制すと、その後も重賞を5連勝。ひまわり賞、OROオータムティアラの牝馬限定重賞のみならず、ダイヤモンドカップ、東北優駿で牡馬を打ち負かすなど、目覚ましい活躍を見せた。
2020年1月の第45回金杯では、のちに中央オープン馬となったシンボ、第46回では今や佐賀の顔と言える存在となったリュウノシンゲンが優勝馬となっており、近年では他地区で活躍する馬も輩出する出世レースとして機能している。
