競馬ブックタイアップ 競馬プレミアムウィークの見どころ特集コラム

12月31日園田ジュニアカップ園田 ダート1700m

 兵庫の2歳チャンピオン決定戦。1999年よりサラブレッド限定の競走となり、2008年からは大晦日の総決算レースとして定着している。
 2002年のハヤセスイグンの勝利を最後に、牝馬の優勝がない期間が長く続いていたが、昨年はスマイルミーシャがデビューから無傷の4連勝で当競走を制覇。20年ぶりとなる牝馬チャンピオンが誕生した。ここでクビ差の激戦を展開した2着馬ベラジオソノダラブとは、兵庫クラシック路線の菊水賞、兵庫ダービーでも首位争いを演じることとなる。
 今年もここで首位争いを演じた馬たちが、兵庫所属3歳馬の中心勢力となっていくのだろう。

2022年/園田ジュニアカップ/スマイルミーシャ

12月31日東京2歳優駿牝馬大井 ダート1600m

 グランダム・ジャパン2歳シーズンの最終戦。他地区所属の優勝馬は2016年のピンクドッグウッド(愛知)だけであるが、南関東所属馬のなかには他地区デビューの馬も多数おり、実質的には全国の地方所属馬のなかから2歳女王を決定するレースとなっている。
 昨年の1~3着馬であるメイドイットマム、ボヌールバローズ、サーフズアップはいずれも2023年中に重賞を勝利していることから、翌年の南関東3歳牝馬戦線を見据えるうえでも重要なレースになってくることは間違いない。
 今年のグランダム・ジャパン2歳シーズンは残すところ当競走のみとなったが、暫定的なポイントランキングの上位は門別でデビューした馬たちが占拠している。近2年の勝ち馬スピーディキック、メイドイットマムはいずれも門別でデビューしていたということをも踏まえれば、ホッカイドウ競馬の出身馬のレース内容をおさらいしてみるのが、馬券的中への近道とも考えられる。

2022年/東京2歳優駿牝馬/メイドイットマム

1月2日帯広記念帯広 200m

 ばんえい競馬の正月を盛り上げる、年内最初の重賞競走。最も格の高い「BGⅠ」に格付けされており、例年、一線級の古馬が顔を揃える。各馬900キロ前後の負担重量が設定されるが、これはばんえい記念に次ぐ高重量である。このことから、約2カ月半後に行われるばんえい競馬最高峰のレースであるばんえい記念へのステップレースとしての役割も担っていると言えよう。
 高重量戦では時計勝負になるケースが少なく、最高水準の馬力と持久力を兼ね備えた一定のメンバーによる上位争いが定着している側面もある。昨年度は帯広記念で1.2着だったアオノブラック、メムロボブサップがばんえい記念では着順を2.1着に入れ替えて再びワンツー決着。この2頭が出走してくるようなら要注目の存在になるだろう。

2023年/帯広記念/アオノブラック

1月3日川崎マイラーズ川崎 ダート1600m

 2024年から施行時期が1月に移り、南関東で行われる新年最初の重賞競走となった。過去10年の勝ち馬にはソルテ(2015年)、モジアナフレイバー(2021年)とダートグレード競走でも良績をあげた馬たちがいる一方で、10頭のうち5頭がここで重賞初制覇を達成していることから、伸び盛りの馬が飛躍のステップにするレースとしての側面もあると言えよう。
 2023年の当レースでは、3歳時に中央でオープン競走を勝っているデュードヴァン、京成盃グランドマイラーズを制して復調の兆しを見せた南関東重賞5勝馬ゴールドホイヤー、中央重賞で2勝の実績を誇るスワーヴアラミスなど、ハイレベルなメンバーが顔を合わせた。この激戦を制したのは、果敢にハイペースの逃げを打ったアイウォールであり、これが嬉しい重賞初制覇となった。
 今年も古豪、新星が一堂に会し、熾烈なレースが繰り広げられそうだ。

2023年/川崎マイラーズ/アイウォール

1月6日中山金杯JRA中山 芝2000m

 中央競馬の年明けを飾る、東の重賞競走。過去の優勝馬にはシャドウゲイト、ラブリーデイ、ウインブライトなど、のちにGⅠを制した馬が複数頭存在する伝統の一戦だ。
 2015年の覇者ラブリーデイはこの競走で重賞初制覇を果たすと、同年の京都記念、鳴尾記念、宝塚記念、京都大賞典、天皇賞(秋)をも制し、2015年度のJRA最優秀4歳以上牡馬に選出された。
 2023年の覇者ラーグルフは続く中山記念でも2着に好走。勝ったのが2021年の中山金杯を制したヒシイグアスであることから、当レースは以降の中距離戦線にもつながってくる一戦だと言えるだろう。

2023年/中山金杯/最後の直線 優勝馬:ラーグルフ(提供:JRA)

1月6日京都金杯JRA京都 芝1600m

 中山金杯と対をなす西の金杯。京都競馬場の改修中は中京で行われていたが、4年ぶりに京都に戻ってくる。
 中山金杯と同様、ハンデ戦だけに波乱が起こるケースも少なくなく、時に高配当も望めるレースである。昨年度こそ堅く決まったが、ケイデンスコールが勝った2021年には12番人気→2番人気→14番人気で決着し、三連単の配当が100万円を超える波乱の決着となった。開催場が京都に戻ることでこの傾向が当てはまらなくなる可能性はあるが、新年から思い切って一発を狙ってみるのも面白そうだ。

2023年/京都金杯/イルーシヴパンサー(提供:JRA)

 中央、地方を合わせて18の競走をピックアップしたが、どれも見逃せないレースばかりである。有馬記念や東京大賞典などのビッグレースに目が向きがちではあるが、クラシック戦線を睨む2歳馬による対決にも注目してほしいところだ。
 実際、今年の兵庫ダービー馬スマイルミーシャ、高知優駿馬ユメノホノオ、東北優駿馬ミニアチュールは、昨年の競馬プレミアムウィーク中の競走を勝利している。
 各馬の成長過程を辿ってレースを展望することは、より競馬を楽しむための方法のひとつである。ぜひ、競馬プレミアムウィーク中に未来のスターホースを見つけてほしい。

TOP