今年も三冠馬誕生なるか
3歳秋のチャンピオンシップの第1弾は北海道三冠の最終戦。門別1場開催となった2009年以降、14年までの三冠は1200→2000→2600mと1戦ごとに距離延長だったが、15年以降は1600→2000→1800mとなっており三冠馬は19、21年と2頭誕生。21年ラッキードリームは、盛岡・ダービーグランプリに挑戦し4着だった。今年もシルトプレが北斗盃、北海優駿(ダービー)とも制し三冠に王手をかけている。ここでは12~21年まで過去10年のデータから傾向を探る。
1着は、1番人気4頭、2、3番人気各2頭、4、5番人気各1頭と人気なりの傾向。1番人気馬のオッズは7頭が1.5倍以下(最大でも2.8倍)と一本被りになることが多いことを考えれば4勝は物足りない。ただし、馬券圏内を外した3回中2回は距離2600m時代の13、14年で近年は信頼度が高いといえる。3着以内はすべて5番人気以内となっており、3連単万馬券は、5番人気が勝った17年、1番人気が7着だった18年が2万円台となったのみ。配当妙味は少ない。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 2 | 1 | 3 | 40.0% | 60.0% | 70.0% |
2番人気 | 2 | 0 | 3 | 5 | 20.0% | 20.0% | 50.0% |
3番人気 | 2 | 6 | 0 | 2 | 20.0% | 80.0% | 80.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 4 | 4 | 10.0% | 20.0% | 60.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 2 | 6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 0 | 50 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
今季開幕時点でホッカイドウ競馬の最多勝利数記録を持つ堂山芳則調教師が、歴代最多の7勝。田中淳司調教師、角川秀樹調教師の二強となる2016年以降も19年にリンゾウチャネルで制すなど存在感を示している。00年初出走の角川調教師が、通算4勝(12年以降は3勝)。厩舎の勝ち星の半数以上が2歳戦だが、自厩舎でデビューした馬で3歳戦でも強さをみせる。07年初出走の田中淳司調教師は、20年にコパノリッチマンで初勝利。同馬はJRA未勝利からの転入で、今後はこのパターンでの好走に期待できるかもしれない。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
堂山芳則 | 3 | 3 | 0 | 3 | 33.3% | 66.7% | 66.7% |
角川秀樹 | 3 | 3 | 0 | 6 | 25.0% | 50.0% | 50.0% |
田中淳司 | 1 | 1 | 1 | 6 | 11.1% | 22.2% | 33.3% |
引退した調教師 | 3 | 1 | 4 | 5 | 23.1% | 30.8% | 61.5% |
※引退した調教師は、林和弘、原孝明、若松平
距離が1800mに短縮された2015年以降の過去7回では、3着以内馬21頭のうち19頭は二冠目・北海優駿(ダービー)に出走と関連が強い。1~3着馬の3着内率は75.0%以上。軸として考えたい[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
北海優駿1着 | 2 | 2 | 2 | 1 | 28.6% | 57.1% | 85.7% |
北海優駿2着 | 1 | 1 | 3 | 1 | 16.7% | 33.3% | 83.3% |
北海優駿3着 | 2 | 1 | 0 | 1 | 50.0% | 75.0% | 75.0% |
北海優駿4着以下 | 1 | 3 | 1 | 23 | 3.6% | 14.3% | 17.9% |
過去7回では、前走で4コーナーを先頭で通過した馬が6勝、2、3着各1回と断然。17年は前走4コーナー12番手のフジノサムライが3着だったが、前走はJRA相手の大井・ジャパンダートダービーJpnIで、当レースは4コーナー2番手。ゴールまでの直線が330mと長い門別外回りコースでも、差し・追い込みは届きにくい。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
前走4コーナー先頭 | 6 | 1 | 1 | 75.0% | 87.5% | 100.0% |
前走4コーナー2~4番手 | 1 | 4 | 5 | 10.0% | 50.0% | 100.0% |
前走4コーナー5番手以下 | 0 | 2 | 1 | 0.0% | 66.7% | 100.0% |
過去10回の勝ち馬のうち9頭が単勝7.0倍以下であり人気は重要。北海優駿(ダービー)で1~3着の実績があり、かつ前走で4コーナーを2番手以内で通過していた馬が4年連続で勝利している。1800mになった過去7回の勝利騎手は、石川倭騎手、阿部龍騎手(ともに1995年生まれ)の20代若手か、服部茂史騎手(76年生まれ)、五十嵐冬樹騎手(75年生まれ)、坂下秀樹騎手(69年生まれ)、川原正一騎手(59年生まれ)のベテラン。20年には桑村真明騎手(87年生まれ)のアベニンドリームが単勝1.5倍で2着に敗れており、30代の騎手が乗る馬を軽視する手もありそうだ。
(文・吉田総一郎)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。