笠松ラストの3歳重賞は飛躍へのステップ
岐阜金賞は、2020年までは兵庫と金沢の馬にも出走資格があったが、今年は東海地区の限定戦。このあと東海地区の3歳重賞は1500mの秋の鞍が名古屋で行われるが、最近では18年の優勝馬であるクリノヒビキが、園田・楠賞をはさんでダービーグランプリで2着。その翌年からダービーグランプリの実施時期が早まったことで、このレースも1カ月半ほど繰り上げての実施となった。ここでは実施されなかった21年を除く、11~20年の過去10回の結果をもとにデータをみていくことにする。
1番人気の連対率が90.0%。2番人気も3着内率が70.0%と好成績を残しているが、3番人気は1着と2着がゼロとなっているのが興味深い。5番人気以下は1勝、2着2回、3着4回と善戦しているが、基本的には上位人気が優勢という傾向だ。それでも2009年は10頭立て最低人気のトウホクビジン(笠松)が勝ち、2着が6番人気、3着が9番人気で大波乱。3連単が的中者ゼロで特払い(70円)になった。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 6 | 3 | 0 | 1 | 60.0% | 90.0% | 90.0% |
2番人気 | 2 | 3 | 2 | 3 | 20.0% | 50.0% | 70.0% |
3番人気 | 0 | 0 | 3 | 7 | 0.0% | 0.0% | 30.0% |
4番人気 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
5番人気以下 | 1 | 2 | 4 | 54 | 1.6% | 4.9% | 11.5% |
過去10回で5勝の兵庫所属馬が今年は出走不可。参考までに笠松で実施されている東海地区限定の3歳重賞・新緑賞の結果(2011~20年)をみてみると、愛知【7-2-5-10】に対し、笠松【3-8-5-59】。愛知は出走数が少ないが1着は断然多く、2、3着の合計では笠松が倍近いというのは[表2]の数字と類似する。軸は愛知の馬で、笠松は相手候補という見立てがよさそうだ。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
愛知 | 3 | 5 | 0 | 22 | 10.0% | 26.7% | 26.7% |
笠松 | 1 | 3 | 6 | 42 | 1.9% | 7.7% | 19.2% |
※兵庫 | 5 | 2 | 2 | 3 | 41.7% | 58.3% | 75.0% |
※金沢 | 1 | 0 | 2 | 4 | 14.3% | 14.3% | 42.9% |
注記:22年は東海地区限定のため出走不可
1900mという距離が影響する面もあるのか、2010年以降の優勝馬はすべて牡馬。過去44回で勝利した牝馬は、前出のトウホクビジンと1994年のツキノマイヒメ(ともに笠松)の2頭だけとなっている。しかし、牝馬は過去10回で2着と3着が各5回。ちなみに近3年とも、8番人気の牝馬が3着に入っている。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
牡またはセン | 10 | 5 | 5 | 40 | 16.7% | 25.0% | 33.3% |
牝 | 0 | 5 | 5 | 31 | 0.0% | 12.2% | 24.4% |
今年は他地区の馬が出走不可のため、東海地区の馬に絞ってみていくと、東海ダービーで2着以内だった馬が、12、14、17年と3勝。20年1着ダルマワンサ(笠松)は東海ダービーに不出走だが、2着馬は東海ダービー1着。18年の2着馬も東海ダービー2着で、今年も東海ダービーの連対馬が出走してきたら、注目する必要がありそうだ。
牝馬も健闘しているが、勝つという観点からは牡馬を選ぶべきだろう。上位人気で愛知所属であればさらに有力だ。ちなみに今年の東海ダービーは、1着タニノタビト(愛知)、2着イイネイイネイイネ(笠松)とも牡馬だった。
(文・浅野靖典)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。