全国交流で行われる“ダービー”
2017年から地方全国交流として行われている高知優駿。南関東で好成績を残す馬や、西日本各地のダービーを勝った馬が参戦する傾向にあり、近年急激なレベルアップを遂げている地元・高知所属馬との対決に注目が集まる。ここでは12~21年の過去10回を中心に、一部では地方全国交流となった過去5回から傾向を見ていく。
高知競馬場の砂は内ラチ沿いの最も深いところで14cm以上と全国的に見てかなり深く、初めて経験する遠征馬は苦戦する傾向にある。それは高知優駿でも同様で、地方全国交流となった2017年以降、19頭参戦し1勝、2着2回、3着4回。遠征馬として唯一勝利を挙げたのは地元の九州ダービー栄城賞を勝って挑んだ2018年スーパージェットだった。一方、高知所属馬は出走頭数が多いため勝率などは低い数字となっているが、地方全国交流となった過去5回で4勝と圧倒的な強さを見せる。その4頭はいずれも高知で重賞勝ちの実績があった点も押さえておくべきだろう。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
高知 | 4 | 3 | 1 | 33 | 9.8% | 17.1% | 19.5% |
佐賀 | 1 | 0 | 0 | 7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
兵庫 | 0 | 1 | 2 | 1 | 0.0% | 25.0% | 75.0% |
大井 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0.0% | 50.0% | 100.0% |
笠松 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
その他 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
高知の深い馬場は一般論として、馬格のある馬の方がこなせると言われている。特に遠征馬でその傾向は如実で、九州ダービー栄城賞を含む重賞3連勝中だった2019年スーパージンガ(当日の馬体重427kg)は5着、JRAで1勝し石川ダービーで僅差の2着だった21年ビルボードクィーン(同447kg)は11着に敗れた。ともに1番人気に支持された中での敗戦で、馬場が敗因の一つとなったと言えるだろう。また、地元馬においても、近5回では17年フリビオン(同429kg)を除き優勝馬はすべて当日の馬体重が460kg以上だった。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
459kg未満 | 1 | 2 | 2 | 19 | 4.2% | 12.5% | 20.8% |
460~469kg | 1 | 0 | 1 | 7 | 11.1% | 11.1% | 22.2% |
470~479kg | 1 | 1 | 2 | 5 | 11.1% | 22.2% | 44.4% |
480~489kg | 2 | 1 | 0 | 3 | 33.3% | 50.0% | 50.0% |
490kg以上 | 0 | 0 | 1 | 11 | 0.0% | 0.0% | 8.3% |
注記:xxx
過去10回では、3番人気以内が8勝と、上位人気は信頼していいだろう。6番人気以下は未勝利で3着以内5回だが、5番人気は1~3着各2回。5番人気で優勝したのは2020年リワードアヴァロンと、前述の九州ダービー馬スーパージェット。リワードアヴァロンは前走の準重賞こそ8着だったが、土佐春花賞1着、黒潮皐月賞3着馬であり、実績のわりに人気を落としている馬がいれば要注意。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 2 | 0 | 1 | 7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
2番人気 | 5 | 3 | 0 | 2 | 50.0% | 80.0% | 80.0% |
3番人気 | 1 | 3 | 1 | 5 | 10.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
5番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
6番人気以下 | 0 | 1 | 4 | 61 | 0.0% | 1.5% | 7.6% |
過去10回では、高知優駿で重賞初制覇となったのは2013年アラマサシャープと15年オトコノヒマツリのみ。他はみな重賞優勝歴があった。また、苦戦傾向がある他地区の馬でも18年1着スーパージェット(佐賀)、19年2着アイオブザタイガー、同年3着リリコ、21年3着クレモナ(以上、兵庫)にも重賞優勝歴があった。
まず狙うべきは地元・高知所属馬で重賞勝ちのある馬。遠征馬を狙うなら、460kg以上の馬格ある馬が望ましい。出走する可能性は低いが、今年3月から砂厚が12cmと深くなった船橋競馬場で好走歴のある馬を狙うのも手かもしれない(砂厚12cmは高知競馬場だと内ラチから5mより外の部分にあたる)。また、8~12番の馬が過去10回で8勝を挙げており、枠はできれば外が好ましい。
(文・大恵陽子)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。