データ分析 Data Analysis

他地区馬も出走可能な北の“ダービー”

かつてホッカイドウ競馬では、2歳時の活躍馬がシーズンオフに南関東などへ移籍してしまうケースが多かったが、近3回は2歳時から北海道に籍を置いたままの馬が勝利。2019年リンゾウチャネル、21年ラッキードリームは北斗盃を制しており、のちに王冠賞も勝ち三冠馬になっている。なお、北海道クラシックはすべて地方全国交流で争われており、17年にはベンテンコゾウ(岩手)が北斗盃との二冠を達成している。ここでは12年~21年まで過去10回のデータから傾向を探る。

■上位人気馬が優勢

過去10回のうち7回で単勝1番人気が勝利しているが、2、3着はなし。2、3着馬20頭中16頭を2~5番人気が占めており、馬券は1番人気を1着固定、2~5番人気は2~3着候補に据えるのがいいだろう。18年は8→9→7番人気の順で入り3連単は96万円、15年は5→4→3番人気で決まり3連単25万円だったが、その他の年は最高でも3連単3万円台にとどまっており、基本的に上位馬は信頼できる。【表1】

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 7 0 0 3 70.0% 70.0% 70.0%
2番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
3番人気 1 2 5 2 10.0% 30.0% 80.0%
4番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 1 2 0 7 10.0% 30.0% 30.0%
6番人気以下 1 3 1 57 1.6% 6.5% 8.1%

■北斗盃上位馬に注目

北斗盃が1600mに延長となった2015年から関連が強くなり、過去7回の連対馬はすべて同レース組。北斗盃1着馬が4勝、4着馬が1勝。15年はフジノサムライが8着から、20年はアベニンドリームが6着からそれぞれ巻き返して勝利(ともに北斗盃は2走前で前走を勝利)している。3着内率では3着の66.7%が最も優秀。2、4着馬の馬券絡みが少ないのは気になるが、まずは北斗盃上位馬を狙いたい。なお、不出走馬は3着3回のみとなっている。【表2】

[表2]北斗盃の着順別成績(北斗盃が1600mになった過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
北斗盃1着 4 0 0 3 57.1% 57.1% 57.1%
北斗盃2着 0 1 1 4 0.0% 16.7% 33.3%
北斗盃3着 0 3 1 2 0.0% 50.0% 66.7%
北斗盃4着 1 0 1 4 16.7% 16.7% 33.3%
北斗盃5着
以下
2 3 1 18 8.3% 20.8% 25.0%
北斗盃不出走 0 0 3 22 0.0% 0.0% 12.0%

■1800m実績があると心強い

北海道の3歳路線では、北海優駿の2000mが最長距離であり、ほとんどの馬にとって未経験。門別か南関東の1800mで連対実績がある馬は、出走15頭と少ないものの5勝、2、3着各2回の好成績。特に近3回では同様の実績を持つ6頭中5頭が馬券絡み(3勝、2、3着各1回)と相性がいい。【表3】

[表3]門別か南関東の1800m実績の有無(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
門別か南関東の1800mで
連対実績
5 2 2 6 33.3% 46.7% 60.0%
上記の実績
なし
5 8 8 76 5.2% 13.4% 21.6%

■前走着上位馬が狙い

過去10回で馬券絡みした30頭中24頭が前走でも3着以内。勝ち馬は9頭が前走でも勝利しており、例外は北斗盃4着だった2018年カツゲキジャパン。14年3着スタンドアウト、18年2着クロスウィンドはともに前走14着だったが、それぞれJRA挑戦、北斗盃であり、地元馬同士の特別戦からの反撃は期待しにくい。

勝つのはこういう馬!

北斗盃が1600mになった過去7回では、同レースで1番人気だった馬が5勝。北斗盃も人気馬が強いレースであり、着上位馬はここでも人気を集めがちだが、勝つ確率は高い。北斗盃、その他を問わず前走1着はマスト。さらに1800mでの実績があれば言うことなし。

(文・吉田総一郎)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。