金沢の3歳チャンピオンを決める一戦
2022年のシリーズを締めくくるのは金沢所属馬限定の石川ダービー。本競走が2017年に創設される前は、“ダービー”といえば出走資格があった名古屋の東海ダービー。14年はケージーキンカメが東海ダービーを勝ち、金沢所属馬として初めてダービーシリーズ(16年まではダービーウイーク)の対象競走を制している。6代目の“石川ダービー馬”に輝くのはどの馬か。ここでは17~21年の過去5回から傾向をみていく。
単勝1番人気に支持された馬の成績は、2勝、2、3着各1回で、3着内率が80.0%。2番人気も3着内率が80.0%と好成績を残している。また、3番人気も2勝、3着1回となっている。ちなみに6番人気以下で3着以内に入った3頭は、6番人気が2頭(2、3着各1回)と、8番人気馬が1頭(3着)だ。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 2 | 1 | 1 | 1 | 40.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 1 | 2 | 1 | 1 | 20.0% | 60.0% | 80.0% |
3番人気 | 2 | 0 | 1 | 2 | 40.0% | 40.0% | 60.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気以下 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番人気 | 0 | 1 | 2 | 31 | 0.0% | 2.9% | 8.8% |
金沢競馬のトップジョッキーといえば、地元だけでなく全国区で活躍している吉原寛人騎手。第1回と第2回、第4回で3勝を挙げ、さらに2着2回と圧倒的な成績を残している。同騎手に続くのが2勝を挙げている中島龍也騎手。今年もこの2人がどのような馬でダービーに臨むのか、興味深いところだ。リーディングの常連・藤田弘治騎手も4度のチャレンジで3着2回と健闘している。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
吉原寛人 | 3 | 2 | 0 | 0 | 60.0% | 100.0% | 100.0% |
中島龍也 | 2 | 0 | 1 | 1 | 50.0% | 50.0% | 75.0% |
藤田弘治 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
上記以外 | 0 | 3 | 2 | 41 | 0.0% | 6.5% | 10.9% |
過去5回の石川ダービーで4勝を挙げているのが金田一昌厩舎。高崎から金沢に移った2005年にリーディングトレーナーに輝き、それ以降にその座を明け渡したのは2回だけという成績は圧倒的だ。ただ、2着と3着がゼロという点は気になるところ。続いて21年リーディング2位の加藤和義厩舎が好成績を挙げている。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
金田一昌 | 4 | 0 | 0 | 14 | 22.2% | 22.2% | 22.2% |
加藤和義 | 1 | 1 | 1 | 6 | 11.1% | 22.2% | 33.3% |
黒木豊 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0.0% | 66.7% | 66.7% |
中川雅之 | 0 | 1 | 1 | 5 | 0.0% | 14.3% | 28.6% |
上記以外 | 0 | 1 | 3 | 18 | 0.0% | 4.5% | 18.2% |
北日本新聞杯を使われていた馬は【3-3-5-21】。頭数が多いため着外は多くなるが、3着以内馬15頭中11頭を占めている。上位に入っていた馬が好成績だが、北日本新聞杯の優勝馬は石川ダービーで1勝、2着2回、3着1回。北日本新聞杯で敗れた馬がダービーで巻き返すケースが多いという点は、頭に入れておくほうがいいかもしれない。
吉原寛人騎手に要注目。今年も騎乗することになれば、勝つ可能性が高い馬を任される可能性が高いだろう。それが金田一昌厩舎の馬であれば、まさに“鬼に金棒”という状態になる。
(文・浅野靖典)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。