データ分析 Data Analysis

今後を占う3歳牝馬戦

新緑の季節に行われる3歳牝馬による1700m戦。このレースで重賞初制覇を果たす馬も多い一方で、2015年勝ち馬トーコーヴィーナスはのちにレディスプレリュードJpnIIで2着同着となり、16年勝ち馬ディアマルコはこのレースを含め重賞9勝を挙げるなど活躍を見せた。ここでは12~21年の過去10回から傾向を見ていく。

■遠征馬は重賞好走歴が必須

過去10年で地元兵庫が6勝。しかし、遠征馬にとって厳しいかと言えばそういうわけでもなく、重賞での好走歴があれば期待できる。実際、2012年勝ち馬のマーメイドジャンプ(笠松)は東海クイーンカップを、20年テーオーブルベリー(大井)は前年11月にラブミーチャン記念を勝っており、17年アペリラルビー(笠松)や16年ディアマルコ(高知)も重賞で連対実績があった。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
兵庫 6 4 7 58 8.0% 13.3% 22.7%
笠松 2 0 1 9 16.7% 16.7% 25.0%
大井 1 2 1 2 16.7% 50.0% 66.7%
高知 1 2 0 3 16.7% 50.0% 50.0%
船橋 0 1 1 4 0.0% 16.7% 33.3%
その他 0 1 0 14 0.0% 6.7% 6.7%

■近6年は波乱傾向

1番人気は4勝、2着2回、3着1回と7頭が馬券圏内。ただ、キャリアの浅い3歳戦に加え、環境の変化などに繊細な牝馬同士の戦いということもあってか、人気順にスンナリ決着しないことも多い。3連単平均配当は約17万1880円で、近6年は4万円以上の高配当となっている。2020年2着のキクノナナ(兵庫)は11番人気だったが、前走は重賞・留守杯日高賞で3着。1月の地元重賞で11着だったことから人気を落とした可能性も。きっかけや展開ひとつで3歳牝馬は一変がある。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 2 1 3 40.0% 60.0% 70.0%
2番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
3番人気 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
4番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気以下 3 2 3 62 4.3% 7.1% 11.4%

■最内枠が好成績

馬番別の成績を見てみると、最内の1番枠が断トツの4勝を挙げる。舞台となる園田1700mは向正面からスタートし、コーナーを6回周るため、距離ロスなく運べる内枠が吉と出るのだろう。近2年は枠順にかかわらず道中でインコースを走った馬の好走例が見受けられる。2021年のクレモナ(兵庫)は重賞での好走歴がなく6番人気だったが、1番枠を最大限に生かした勝利といえそうだ。一方で、スタートから最初のコーナーまでが比較的短いため、逃げ・先行馬は思わぬ出遅れなどによって内で包まれるリスクもある。そういった点で、真ん中から外の枠から残り6頭の勝ち馬が出ているのだろう。[表3]

[表3]馬番別成績(過去10回)

馬番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番 4 0 0 6 40.0% 40.0% 40.0%
2番 0 2 0 8 0.0% 20.0% 20.0%
3番 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
4番 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
5番 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
6番 1 0 2 7 10.0% 10.0% 30.0%
7番 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
8番 1 1 0 8 10.0% 20.0% 20.0%
9番 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
10番 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
11番 1 0 0 9 10.0% 10.0% 10.0%
12番 1 2 0 7 10.0% 30.0% 30.0%

勝つのはこういう馬!

まず狙いたいのは重賞で連対実績がある馬。2019年チャービル(兵庫)、21年クレモナ(兵庫)を除く、8頭が該当する。地元兵庫が6勝を挙げており有力。遠征勢は勝ち馬4頭中3頭が1番枠に入っているのがポイントで、人気薄であっても、狙ってみるのも面白そうだ。差し馬であれば、外枠からでも道中はインにつけてロスなく立ち回れる可能性がある。また、地理的に近い笠松や高知所属馬も3勝を挙げており、注目だ。

(文・大恵陽子)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。