佐賀で唯一の900m重賞
2018年度に900メートルのA級特別が4競走新設され、翌年度にそのうちの1つの佐賀がばいダッシュが重賞へ昇格するとともに、スーパースプリントシリーズのトライアル(佐賀所属馬限定)となった。その後3回のメンバーから、ファイナル・習志野きらっとスプリントへ進んだ馬は出ていない。ここでは重賞での3回にA級特別だった18年を加えた過去4回から傾向を見ていく。
過去4回とも1、2着は3番人気以内で、3着には5~6番人気が入っているのが共通項だ。2020、21年はドラゴンゲートがそれぞれ単勝1.0倍、1.1倍と圧倒的人気に応えて勝利すると、2着も2番人気。上位人気を信頼したい。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 2 | 1 | 0 | 1 | 50.0% | 75.0% | 75.0% |
2番人気 | 1 | 2 | 0 | 1 | 25.0% | 75.0% | 75.0% |
3番人気 | 1 | 1 | 0 | 2 | 25.0% | 50.0% | 50.0% |
4番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0.0% | 0.0% | 75.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 1 | 18 | 0.0% | 0.0% | 5.3% |
年齢別では5歳と6歳が各1勝、7歳以上の2勝はともにドラゴンゲート。同馬を除くと7歳以上は出走22頭中、2、3着が各1回だけと劣勢になる。一方、6歳以下は15頭中8頭が3着以内に進出。基本的には6歳以下の争いで、7歳以上では傑出した力がないと厳しい結果となっている。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
5歳 | 1 | 1 | 1 | 2 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
6歳 | 1 | 0 | 2 | 4 | 14.3% | 14.3% | 42.9% |
7歳以上 | 2 | 1 | 1 | 20 | 8.3% | 12.5% | 16.7% |
勝ち馬はいずれも逃げか3コーナーまでに2番手につけており、馬番は18年から順に2番(8頭立て)、7番(12頭立て)、9番(9頭立て)、5番(10頭立て)。勝ち馬の馬番にこれといった傾向はないが、ここ3年連続で大外枠の馬が連対。大外から2頭目までの枠に入った8頭中6頭が3着以内に進出と、佐賀の他の距離と同様に外枠有利の傾向が出ている。【表3】
18年 | 19年 | 20年 | 21年 | |
頭数 | 8 | 12 | 9 | 10 |
1着 | 2 | 7 | 9 | 5 |
2着 | 3 | 12 | 8 | 10 |
3着 | 7 | 11 | 1 | 1 |
重賞に昇格した2019年の勝ち馬エイシンビリケンは900メートル戦初出走だったが、2、3着馬はこの距離で馬券に絡んだ実績があった。また20、21年と連覇のドラゴンゲートは20年の出走時点で2勝。回を重ねるごとに900メートルでの実績が重要となっている。21年の出走馬を見ると、1~6着までの馬には900メートル戦で4着以内があり、7着以下4頭はこの距離初出走と傾向がはっきりと分かれていた。
ドラゴンゲートが引退し、佐賀の短距離路線は主役交代の時期。今年は絶対的な評価を受ける馬はいなさそう。900メートル戦の実績が重要視されるだけに、21年度の当レース(6月)、佐賀葉隠ダッシュ(9月)、筑後川特別(11月)、佐賀スプリングダッシュ(22年3月)の上位馬に注目が集まりそうだ。また、直近のB級900メートル特別を勝って参戦している馬がいれば、勢いを買う手もあるだろう。
(文・上妻輝行)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。