習志野きらっとスプリントの切符をかけた900mの電撃戦
スパースプリントシリーズのファイナル・習志野きらっとスプリントへ続く前哨戦。2021年から南関東S3に格上げされて、川崎900mを舞台にする唯一の重賞となった。その第1回はカプリフレイバー(船橋)が栄えある初代勝ち馬に輝き、2着には同じ4歳馬のダンディーヴォーグ(川崎)。2頭が本番への優先出走権を手にした。ここでは重賞格上げ前も含めた12~21年の過去10年の結果から傾向を探っていく。
過去10回のうち6回が船橋所属馬による勝利で、2013年の同着を含めると7勝。各項目を見ても優秀な数字を残しているが、ワンツー決着は13年のみ。勝率は見劣りするものの、連対率、3着内率は大井、川崎所属馬も悪くない。船橋所属馬を中心に相手には他場の馬を狙いたい。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
船橋 | 7 | 2 | 2 | 12 | 30.4% | 39.1% | 47.8% |
川崎 | 2 | 4 | 4 | 38 | 4.2% | 12.5% | 20.8% |
大井 | 1 | 3 | 2 | 12 | 5.6% | 22.2% | 33.3% |
浦和 | 1 | 0 | 2 | 18 | 4.8% | 4.8% | 14.3% |
※13年は船橋の2頭が1着同着
2012年には3連単が74万3840円、12頭立ての20年は8→6→9番人気で決着するなど荒れる年もあるが、1番人気は7勝と堅調。3着内率は2、3番人気がともに50.0%と高水準で上位人気馬の信頼度は高い。ただし1~3番人気が3着まで独占したのは14年と21年の2回だけ。上位人気3頭のチョイスが明暗を分けそうだ。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 7 | 0 | 0 | 3 | 70.0% | 70.0% | 70.0% |
2番人気 | 1 | 1 | 3 | 5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
3番人気 | 1 | 4 | 0 | 5 | 10.0% | 50.0% | 50.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 1 | 2 | 5 | 52 | 1.7% | 5.0% | 13.3% |
※13年は1着同着
4歳から6歳で9勝しているように、7歳以上のベテラン勢は苦戦傾向。特に注目すべきは4歳でいずれの項目もトップの成績をマークしている。4歳で勝利した4頭のうち3頭は前走2着以内。2021年の覇者カプリフレイバー(船橋)はフジノウェーブ記念12着からの参戦だったが、3歳時に優駿スプリントを制した実力馬だった。勢いに乗っている、もしくは重賞級の力がある4歳馬が出てきたらチャンス十分だろう。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 4 | 1 | 2 | 7 | 28.6% | 35.7% | 50.0% |
5歳 | 2 | 2 | 2 | 16 | 9.1% | 18.2% | 27.3% |
6歳 | 3 | 5 | 3 | 16 | 11.1% | 29.6% | 40.7% |
7歳以上 | 2 | 1 | 3 | 40 | 4.3% | 6.5% | 13.0% |
※20年までは3歳も出走可能
2016、17年の覇者フラットライナーズ(船橋)は18年も2着に好走し、3年続けて連対。18年Vのラディヴィナ(川崎)は翌年も勝利を収めて連覇を達成するなどリピーターの活躍に注意。また、過去10回の連対馬のべ20頭のうち17頭はレース当日480キロ以上の馬体重があり、そのうちの8頭は500キロを超えていた。舞台適性に加えて、パワーとスピードが求められるレースとなっている。
船橋所属の上位人気馬で、実力を示す4歳馬。馬格に恵まれた馬やリピーターにも注意したい。
(文・前田 恒)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。