データ分析 Data Analysis

JRA勢か地元北海道勢か、勢力拮抗の2歳交流重賞

2020年にJBC競走の新たなカテゴリーとして、北海道2歳優駿を前身に「JBC2歳優駿」が新設。第1回に続き今年も、馬産地・北海道の門別競馬場で開催される。前身の北海道2歳優駿がダートグレード競走となった97年以降、地元北海道勢が12勝にJRA勢が12勝と、これまで完全に互角の決着。ここでは、北海道2歳優駿として施行されていた時代を含めた過去10年の結果から分析する。

単勝オッズ1倍台の1番人気は信頼度抜群

1番人気は単勝オッズ1倍台なら[4・0・1・0]と3着内率100%で軸向き。しかし2倍台以降では[0・1・0・4]で馬券圏内に入ったのは18年2着ウィンターフェルのみとパフォーマンスが各段に下がる。また、18年からは3年連続6番人気が勝利しており近年活躍が顕著だ。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10年)

人気 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 1 4 40.0% 50.0% 60.0%
2番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
3番人気 1 2 0 7 10.0% 30.0% 30.0%
4番人気 0 2 1 7 0.0% 20.0% 30.0%
5番人気 1 0 3 6 10.0% 10.0% 40.0%
6番人気以下 4 5 3 59 5.6% 12.7% 16.9%

JRA優勢も北海道勢にも注視

北海道かJRA所属馬の出走がほとんどで、それ以外からの出走は過去10年でわずか2頭。3着内馬30頭中、北海道所属馬が15頭、JRA所属馬が15頭で五分だが、出走頭数でみると北海道79頭、JRA40頭でJRAの方が好走率は高い。ただし毎年北海道の馬も1頭は馬券に絡んでいるので軽視はできない。[表2]

[表2]所属別成績(過去10年)

所属 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
北海道 4 5 6 64 5.1% 11.4% 19.0%
岩手 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
大井 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
美浦 3 2 3 12 15.0% 25.0% 40.0%
栗東 3 3 1 13 15.0% 30.0% 35.0%

牡馬が中心

優勝馬10頭のうち、牡馬が9頭で牝馬は1頭のみ。その一方で、勝率・連対率・3着内率の数字をみると、いずれも牝馬が牡馬を上回っている。ただし、16年以降の牝馬の成績は[0・0・0・5]で近年は不振だ。[表3]

[表3]性別成績(過去10年)

性別 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
牡馬 9 9 8 84 8.2% 16.4% 23.6%
牝馬 1 1 2 7 9.1% 18.2% 36.4%

サンライズカップ組は1~3着馬が狙い目

北海道所属馬のうちサンライズカップ組は43頭を占め、主要ステップと言える。前走サンライズカップから出走して、1~3着となった馬は9頭中8頭。サンライズカップで4着以下の成績だった馬で、馬券に絡んだのは20年2着トランセンデンスのみ。また、サンライズカップ不出走で馬券圏内に入った5頭は、いずれも重賞で1~3着の実績があるという共通点があった。[表4]

[表4]北海道所属馬のサンライズカップ着順別成績(過去10回)

着順 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
1~3着 2 3 3 19 7.4% 18.5% 29.6%
4着以下 0 1 0 15 0.0% 6.3% 6.3%
不出走 2 1 3 30 5.6% 8.3% 16.7%

JRAのプラタナス賞組は前走上位人気馬から

JRA所属馬で好走が目立つステップレースはプラタナス賞で、該当馬13頭中6頭が馬券圏内に入っている。この6頭はすべてプラタナス賞で1~3番人気に推されていた馬で、4番人気以下だった馬は台頭しておらず明暗が分かれている。[表5]

[表5]JRA所属馬のプラタナス賞人気別成績(過去10回)

前走人気 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
1~3人気 3 2 1 3 33.3% 55.6% 66.7%
4人気以下 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
不出走 3 3 3 18 11.1% 22.2% 33.3%

勝つのはこういう馬!

優勝馬はすべて馬体重が482キロ以上ある馬から出ており、牝馬で勝利した15年タイニーダンサーも484キロあった。また、逃げた馬が4回勝利しているように、逃げ有利の傾向がある。さらに過去10年の優勝馬は、すべて4コーナー地点では4番手以内にいたことから、脚質が差しのタイプでも早めに仕掛けることができる馬を選びたい。[表6]

[表6]優勝馬の馬体重と位置取り(過去10回)

馬名 所属 馬体重 1コーナー 2コーナー 3コーナー 4コーナー
11年 オーブルチェフ JRA 500 2 2 2 2
12年 アルムダプタ JRA 492 5 5 5 4
13年 ハッピースプリント 北海道 518 8 8 5 4
14年 ディアドムス JRA 482 5 5 5 3
15年 タイニーダンサー 北海道 484 1 1 3 4
16年 エピカリス JRA 488 1 1 1 1
17年 ドンフォルティス JRA 498 7 7 4 2
18年 イグナシオドーロ 北海道 502 1 1 1 1
19年 キメラヴェリテ JRA 532 1 1 1 1
20年 ラッキードリーム 北海道 492 6 7 8 4

(豊岡 加奈子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2019年までは北海道2歳優駿として実施。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。