データ分析 Data Analysis

中長距離の一線級が集う伝統の牝馬限定重賞

“エンプレス=女帝”というレース名のとおり、古馬牝馬の中長距離路線の有力馬が集う。昨年ここを制したマルシュロレーヌは、秋にはアメリカに渡ってブリーダーズカップ・ディスタフを制し、世界に通用するレベルの高さを見せた。2012年は降雪で取止めとなったため、ここでは11年と13~21年の過去10回を対象に傾向を探っていく。

内目の枠が有利

勝ち馬は10頭中7頭が1~7番枠に入った馬。3着内馬でも、1~7番枠が22頭で、真ん中より内の枠が有利。小回りのコーナーを6回通過するコース形態のため外を回るとロスが大きく、なるべく内をうまく立ち回ることが重要と言える。[表1]

[表1]3着以内馬の馬番(過去10回)

11年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年
頭数 12頭 11頭 13頭 12頭 10頭 13頭 11頭 13頭 13頭 11頭
1着 9 3 7 5 5 9 1 7 7 11
2着 1 1 10 10 4 11 7 5 6 4
3着 3 11 5 2 7 4 3 9 5 1

1番人気の信頼度は高い

1着馬は10頭中7頭が1番人気で、残る3頭中2頭が2番人気と、軸は1~2番人気馬の信頼度が高い。とくに1番人気の複勝率は100%と崩れていない。一方で6番人気以下の馬も2、3着に合計5頭が絡んでおり、紐荒れの可能性も考えておきたい。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 7 2 1 0 70.0% 90.0% 100.0%
2番人気 2 0 4 4 20.0% 20.0% 60.0%
3番人気 0 3 2 5 0.0% 30.0% 50.0%
4番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
5番人気 0 1 0 9 0.0% 10.0% 10.0%
6番人気以下 0 3 2 64 0.0% 4.3% 7.2%

4~6歳馬は平均的に好成績

1着馬は4歳馬3頭、5歳馬4頭、6歳馬3頭と、4~6歳馬からまんべんなく出ており、勝率もほぼ差はない。勝つのは6歳までだが、7歳馬も出走頭数が少ないながら、3着内率では4~6歳馬とほとんど変わらず、連下としては狙える。8歳以上になるとさすがに厳しい。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4歳 3 2 4 22 9.7% 16.1% 29.0%
5歳 4 2 4 30 10.0% 15.0% 25.0%
6歳 3 4 1 22 10.0% 23.3% 26.7%
7歳 0 2 1 8 0.0% 18.2% 27.3%
8歳以上 0 0 0 7 0.0% 0.0% 0.0%

JRA馬が圧倒も、相手には南関東も

地方馬は05~07年に船橋所属馬が3年連続で優勝して以降、勝ち星から遠ざかっており、昨年まで13回連続でJRA馬が勝っている。2着には大井が4頭、船橋が1頭入っており、連下候補としては南関東所属馬も軽視できない。[表4]

[表4]所属別成績(過去10回)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 10 5 10 21 21.7% 32.6% 54.3%
大井 0 4 0 12 0.0% 25.0% 25.0%
船橋 0 1 0 12 0.0% 7.7% 7.7%
川崎 0 0 0 15 0.0% 0.0% 0.0%
浦和 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
地方他地区 0 0 0 19 0.0% 0.0% 0.0%

リピーターが活躍

かつては95、96年にホクトベガ、97、98年にシルクフェニックス、99、00年にファストフレンドが連覇。11年以降でも15、16年にアムールブリエが連覇を果たしたのをはじめ、ミラクルレジェンド(11年3着、13年1着)、ワイルドフラッパー(14年1着、15年2着)、ヴィータアレグリア(16年2着、17年3着)、プリンシアコメータ(18年2着、19年1着)、サルサディオーネ(18年3着、21年2着)など、リピーターの活躍が目立つ。

勝つのはこういう馬!

7番より内の枠に入った4~6歳のJRA馬で、1番人気になる馬がいれば固い軸。2番人気でも狙える可能性は高い。また、過去に3着以内に入っている馬も相手には押さえておきたい。

(栗田 勇人)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2002年は施行なし、12年は競走取り止め。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。