データ分析 Data Analysis

新生名古屋競馬場で初となるダートグレード競走。1500mとなる点に注意!

過去23回でJRAが18勝、地方5勝。直近では、17年のトウケイタイガー(兵庫)が地方所属馬として勝利を収めている。ここでは、過去10年の結果から傾向を探っていこう。

内枠の馬が連続で好走中

9年続けて3番以内の馬が3着以内に入っている。旧名古屋の1400mは1コーナーまでの距離が長く、内外の有利不利が少ないコースだが、トップクラスのスピードで争うダートグレード競走ともなると、内枠の方がポジション争いでアドバンテージがあるのかもしれない。新コースの1500mも同様に1コーナーまで距離があるので、同じ傾向が引き継がれる可能性もありそうだ。

[表1]3着以内の馬番(過去10年)

12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年
頭数 12頭 11頭 12頭 11頭 10頭 12頭 12頭 12頭 12頭 12頭
1着 5 1 3 4 3 2 7 10 7 4
2着 9 6 8 1 9 9 3 2 8 11
3着 11 10 4 9 7 6 11 12 2 2

注記:2015年の5番、2013年の12番は出走取消

1番人気、2番人気がともに3着内率90%

1番人気は16年のタガノトネール(4着)が、2番人気は20年のアディラート(7着)が馬券対象から外れただけで、ともに3着内率90%と好成績。過去10年、必ず3番人気以内の馬が2頭以上、馬券対象となっており、極端な波乱は起こりにくい。ここ6年で2番人気が5勝を挙げており、近年は1番人気馬<2番人気馬という傾向が見て取れる。なお、6番人気以下での好走馬は18年サンライズメジャー(JRA・9番人気3着)、14年タガノジンガロ(兵庫・6番人気1着)の2頭。

[表2]単勝人気別成績(過去10年)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 4 1 1 40.0% 80.0% 90.0%
2番人気 5 2 2 1 50.0% 70.0% 90.0%
3番人気 0 3 2 5 0.0% 30.0% 50.0%
4番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
5番人気 0 0 3 7 0.0% 0.0% 30.0%
6番人気以下 1 0 1 64 1.5% 1.5% 3.0%

4歳が5勝、勝率33.3%

ダートグレード競走には、比較的高齢の馬が活躍するレースもあるが、かきつばた記念に関しては、4歳馬が勝率33.3%と圧倒的。特に、当日3番人気以内に支持されていた馬に絞ると、8頭出走して、5勝、2着2回、3着1回とほぼ完璧な成績を収めている。上位人気に推されるほど近況が充実している4歳馬には、無闇に逆らわない方が良いだろう。

[表3]年齢別成績(過去10年)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4歳 5 2 1 7 33.3% 46.7% 53.3%
5歳 1 2 3 15 4.8% 14.3% 28.6%
6歳 2 1 1 22 7.7% 11.5% 15.4%
7歳 2 3 1 18 8.3% 20.8% 25.0%
8歳 0 1 3 11 0.0% 6.7% 26.7%
9歳以上 0 1 1 13 0.0% 6.7% 13.3%

JRA勢が強力も兵庫の馬が2勝

JRAが8勝、2着10回、3着7回と好成績。上位独占も5回あり、そのうち3回は直近4年でのもの。JRA勢の優位が強まっている。地方所属馬で気を吐いているのが兵庫の馬で、冒頭で記した17年トウケイタイガー(2番人気)に加え、14年タガノジンガロ(6番人気)と2頭が勝利を収めている。地元愛知から唯一の馬券絡みは、13年5番人気3着のサイモンロード。

[表4]所属別成績(過去10年)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 8 10 7 19 18.2% 40.9% 56.8%
愛知 0 0 1 39 0.0% 0.0% 2.5%
兵庫 2 0 0 8 20.0% 20.0% 20.0%
高知 0 0 0 7 0.0% 0.0% 0.0%
笠松 0 0 1 4 0.0% 0.0% 20.0%
浦和 0 0 1 2 0.0% 0.0% 33.3%
金沢 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
岩手 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
川崎 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
船橋 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%

前走1着馬に注目

勝ち馬のべ10頭中、前走1着だった馬が8頭。3着以内だったのべ30頭中、実に17頭が前走1着でここに挑んでいた。上位人気馬が強い傾向ともリンクするが、直近の勢いが大事だということだろう。特に直近4年は、前走黒船賞連対馬が3着以内に入っており、黒船賞ステップの馬に注意したい。

勝つのはこういう馬!

4歳馬かつ上位人気馬が強いレース。「4歳」「3番人気以内」「前走1着」を全て満たした馬は6頭いて4勝、2着1回、3着1回。勝利した4頭のうち3頭に共通するのは、19年のゴールドクイーンはギャラクシーSから、15年と16年のコーリンベリー、ノボバカラはともにコーラルSからのステップで、JRAのオープン競走を使っていた点。重賞の常連というよりも、上昇気流に乗っているタイプが強いということだろう。仮に4歳馬の出走が無かったとしても、「格よりも勢い」と頭に刻んで臨むのが良さそうだ。

(松山 崇)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。