データ分析 Data Analysis

大一番へ向けて力のある短距離馬が集結

ダート短距離路線のローテーションを考えると、10月に盛岡競馬場で行われるマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIや、11月のJBCスプリントJpnIへ向けた実力馬の参戦が多い。過去にはレーザーバレットやノブワイルドが連覇を果たしているが、小回り浦和1400mが舞台となるだけにコース適性の高さとともに、枠順や位置取りが重要になる。ここでは2012年~21年の過去10年の結果から傾向を探っていく。

地方馬の食い込みが目立つ

JRAが7勝を含む13連対と数字の上では優勢だが、馬券圏内独占は2014、15年の2回のみ。ほとんどの年で地方馬が食い込んでいるように、JRAが断然有利とは言えない結果となっている。地方の中でも浦和勢は5年連続で3着以内に好走しており、特に小久保智厩舎はノブワイルドで2年連続Vを果たすなど、地の利を最大限に生かして奮闘が目立っている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 7 6 4 22 17.9% 33.3% 43.6%
浦和 2 2 4 27 5.7% 11.4% 22.9%
大井 1 1 0 8 10.0% 20.0% 20.0%
川崎 0 1 0 3 0.0% 25.0% 25.0%
船橋 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
その他地方 0 0 0 18 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気は勝利がない

交流重賞にしては珍しく1番人気が未勝利で、ダートグレード競走を勝った実績馬であっても勝ち切れていない点が大きな特徴。対して4勝を挙げる2番人気の信頼度が高く、次いで成績がいい3番人気と4番人気で計9勝をマークしている。勝ち馬は2~4番人気から出ると考えるのが得策で、連対馬のうち延べ19頭は5番人気以内だった。1番人気の頭固定で勝負するのは危険だが、上位人気馬が好勝負に持ち込む可能性は高いと見るべきだろう。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 0 2 3 5 0.0% 20.0% 50.0%
2番人気 4 2 1 3 40.0% 60.0% 70.0%
3番人気 2 1 3 4 20.0% 30.0% 60.0%
4番人気 3 1 0 6 30.0% 40.0% 40.0%
5番人気 1 3 0 6 10.0% 40.0% 40.0%
6番人気以下 0 1 3 62 0.0% 1.5% 6.1%

成績トップの5枠と、2枠の逃げ馬が面白い存在

浦和1400mは内枠の先行馬が有利という印象を持つ方も多いはずだが、枠番成績を見ると、意外にも1、3、4枠から勝利は出ていない。内枠では2枠が2勝、2着2回と唯一、好成績を収めており、その延べ4頭のうち3頭は先手を主張していた。対して5~8枠は8勝で、連対数は15を数える。なかでも5枠の成績が優秀で、各項目の率はトップ。5枠を筆頭にした外枠勢と、2枠に入った逃げ馬には要注意だ。[表3]

[表3]枠番別成績(過去10回)

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1枠 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
2枠 2 2 0 6 20.0% 40.0% 40.0%
3枠 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
4枠 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
5枠 4 3 1 9 23.5% 41.2% 47.1%
6枠 1 2 1 15 5.3% 15.8% 21.1%
7枠 1 1 3 15 5.0% 10.0% 25.0%
8枠 2 1 2 15 10.0% 15.0% 25.0%

逃げ、先行馬が断然有利。小久保厩舎には注意

勝ち馬の位置取りを見てみると2015年、16年に連覇を達成したJRA所属の差し馬レーザーバレットを除けば、すべての馬が3コーナーで2番手以内につけており、逃げ、先行馬が断然有利。また前述した小久保智厩舎は18、19年の覇者ノブワイルドを含めて馬券圏内7回で、いずれの馬もJRAデビュー馬という共通点があった。南関東のトップトレーナー小久保厩舎に所属する地元馬が出てきた際には押さえておきたい。

勝つのはこういう馬!

2~4番人気の逃げ、もしくは先行馬。好成績の2枠や5枠に入ればさらに信頼度は増す。地方馬の好走にも注意が必要で、なかでも浦和・小久保智厩舎は要チェックしたい。

(前田 恒)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】ダートグレード競走に格付けされた2013年からのデータとなります。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。