データ分析 Data Analysis

今年はワンターン1200mでスピード王を争う

地方の競馬場において、JBCスプリントの基本距離となる1200mのレースが実施されているのは南関東を除けば、門別と盛岡のみ。盛岡ダート1200mのコースレコードは2002年、03年、10年、17年、20年のクラスターカップJpnIIIで更新されている。JpnIで新たな記録が生まれるかどうか。ここでは中央開催だった18年を除く11年~21年の過去10回の結果から傾向を探っていく。

地方では浦和・小久保厩舎に注目

JBC競走で最初に地方馬が制したのが2007年・大井のスプリント。その後、19年、20年と計3勝を挙げている。過去10回ではJRA関西が7勝を挙げ、2着9回、3着6回と強い。JRA関東と浦和、大井が各1勝だが、連対率と3着内率では浦和が上回る。浦和の3着以内はすべて小久保智厩舎。14年・盛岡ではサトノタイガーがクビ差2着に好走しており、出走があれば注目。大井の1着、3着各1回はともに矢野貴之騎手が手綱を取っていた。[表1]

[表1]所属別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 7 9 6 26 14.6% 33.3% 45.8%
JRA関東 1 0 1 6 12.5% 12.5% 25.0%
浦和 1 1 2 11 6.7% 13.3% 26.7%
大井 1 0 1 19 4.8% 4.8% 9.5%
その他 0 0 0 45 0.0% 0.0% 0.0%

近年は荒れる傾向

1着のJRA馬はすべて1~3番人気で、地方の1着馬は6番人気、8番人気。基本的にJRA勢が上位人気を占めることが多く、地方馬で勝利が意識できるのは、地方馬のなかで上位人気。2011~17年の7回では、うち6回が3連単で4桁配当だったが、19年149万7730円、20年18万770円、21年1万2490円。近年は地方馬の活躍が目立つこともあってか波乱傾向が強くなっている。[表2]

[表2]単勝人気別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 4 0 3 30.0% 70.0% 70.0%
2番人気 3 2 1 4 30.0% 50.0% 60.0%
3番人気 2 0 3 5 20.0% 20.0% 50.0%
4番人気 0 0 4 6 0.0% 0.0% 40.0%
5番人気 0 2 1 7 0.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 2 2 1 82 2.3% 4.6% 5.7%

JRAの5歳、6歳が有力

それぞれ3勝を挙げる5歳、6歳が勝率、連対率、3着内率とも高く、馬券の中心となる。JRA関西に限ると、5歳、6歳に加え7歳も3着内率で50.0%以上となっている。なお、JRA関東は6歳以上での馬券絡みがない。[表3]

[表3]年齢別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 1 1 1 12 6.7% 13.3% 20.0%
5歳 3 2 3 16 12.5% 20.8% 33.3%
6歳 3 5 3 23 8.8% 23.5% 32.4%
7歳 2 2 2 27 6.1% 12.1% 18.2%
8歳 1 0 1 16 5.6% 5.6% 11.1%
9歳以上 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%

前走東京盃組が最有力

有力ステップは東京盃JpnII。前走で同5着以内だった馬が過去10回では、2013年を除く9回で馬券に絡み、9勝、2着4回、3着3回。その13年は、前走マイルチャンピオンシップ南部杯JpnI・1着馬が勝ち、同3着馬が3着。前走両レース組が3着以内馬30頭中26頭を占めている。なお、クラスターカップJpnIIIの1着馬は、6頭出走し5頭が馬券絡み。20年のクラスターカップJpnIII・1着馬マテラスカイは、続く東京盃JpnII・11着から2着に巻き返しており、出走があれば押さえたい。ちなみに、クラスターカップJpnIII・2着馬は、3着以内なしで不振。[表4]

[表4]同年のクラスターカップ着順別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
クラスターC1着 2 2 1 1 33.3% 66.7% 83.3%
クラスターC2着 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
クラスターC3着 0 1 1 1 0.0% 33.3% 66.7%
クラスターC4着 0 0 0 0 0.0% 0.0% 0.0%
クラスターC5着 1 0 0 2 33.3% 33.3% 33.3%
クラスターC6着以下 0 0 1 4 0.0% 0.0% 20.0%

勝つのはこういう馬!

前回2014年の盛岡JBCスプリントは、1番枠に入った1番人気のノーザンリバーがスタートで出遅れ内に包まれて、動くに動けず5着に敗れ、勝ったのは12番枠のドリームバレンチノ(2番人気)。02年も勝ったのは15番枠のスターリングローズ(1番人気)で、さばきやすい外枠のほうが狙いやすい。過去10回では、前走東京盃JpnII・1着馬は8連敗中のため同2~5着で、JRA馬なら3番人気以内が必須。

(栗田 勇人)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。