データ分析 Data Analysis

ダート中長距離のスペシャリストがスピードとスタミナを競い合う一戦

名古屋競馬場の移転に伴い、今年から弥富に舞台を移し、新たなコースで初めて開催される。昨年まではダートグレード競走最長の2500mで行われていたが、2100mへと距離が変更される点からも傾向の変化があるか注目したい。移転後の名古屋競馬2100mは2コーナー奥のポケット地点からスタートして6回コーナーを回る。スタートしてから最初のコーナーまでの距離が比較的長く、3~4コーナーはスパイラルカーブが採用されている。過去の優勝馬を見ると2006年ヴァーミリアン、07年フィールドルージュ、11年ニホンピロアワーズ、12年、14年エーシンモアオバー、18年チュウワウィザード、20年マスターフェンサーなど、ダート中長距離の強豪が名を連ねている。ここでは12年~21年まで過去10年の結果をもとに傾向を探る。

上位人気馬が中心も、配当には妙味

1番人気馬の3着内率は90%で、唯一4着以下となったのは12年だけだった。1~3番人気馬が揃って3着内を外したことは一度もなく、上位人気馬が中心のレース。一方で6番人気以下の馬も4頭が3着内に好走。1番人気馬の勝率は30%で、3着が4回あり、3連単万馬券が4回と、上位人気馬中心も着順次第では配当妙味が見込める。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10年)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 2 4 1 30.0% 50.0% 90.0%
2番人気 3 2 2 3 30.0% 50.0% 70.0%
3番人気 2 1 0 7 20.0% 30.0% 30.0%
4番人気 0 3 1 6 0.0% 30.0% 40.0%
5番人気 1 2 0 7 10.0% 30.0% 30.0%
6番人気以下 1 0 3 59 1.6% 1.6% 6.3%

3、4歳馬が活躍

4歳馬が最多の3勝。勝率で見ても16.7%の4歳がトップで、次いで15.4%の3歳馬となっている。連対率、3着内率で見ると3歳馬が最も良績を残しており、出走があれば注目だ。8歳以上のベテラン馬も4頭が3着内に好走している点には注意が必要だが、基本的には3、4歳の若い馬が中心。[表2]

[表2]年齢別成績(過去10年)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 2 1 3 7 15.4% 23.1% 46.2%
4歳 3 1 3 11 16.7% 22.2% 38.9%
5歳 1 3 1 15 5.0% 20.0% 25.0%
6歳 2 2 1 14 10.5% 21.1% 26.3%
7歳 0 2 1 18 0.0% 9.5% 14.3%
8歳以上 2 1 1 18 9.1% 13.6% 18.2%

JRA馬が中心

連対馬20頭は全てJRA馬で、地方馬の3着2回も、16、17年に地元名古屋のカツゲキキトキトがいるだけ。カツゲキキトキトのような長距離に対応できるスタミナとコース実績のある地元馬が出てくる際はチャンスが巡ってくるかもしれない。[表3]

[表3]所属別成績(過去10年)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 10 10 8 22 20.0% 40.0% 56.0%
愛知 0 0 2 30 0.0% 0.0% 6.3%
笠松 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
その他地方 0 0 0 29 0.0% 0.0% 0.0%

リピーターが活躍

2011年2着、12年1着、14年1着と3回連対したエーシンモアオバー(JRA)や、15、16年と連覇したアムールブリエ(JRA)、16、17年と2年連続で3着のカツゲキキトキト(愛知)など、昨年まで2500mという特異な条件だったためかリピーターの活躍が目立つ。中には間隔をあけて複数回好走するケースもあり、過去の好走馬には注意を払いたい。

勝つのはこういう馬!

3、4歳で上位人気のJRA馬が中心。とくに連対率、3着内率の高い3歳馬が出走する場合は注目したい。また、リピーターとなり得る過去の好走馬が出走する際は、たとえ高齢馬であっても軽視禁物だ。

(栗田 勇人)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】降雪の影響により開催取り止めとなった2005年を除いたデータとなります。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。