
ダートグレード競走最長距離での戦い
2500mで実施されていた名古屋グランプリが、2022年に2100mに変更されたことで、ダイオライト記念がもっとも長い距離で行われるダートグレード競走になった。その舞台は向正面からスタートして1周半するコース。船橋競馬場での2400m戦は年に1度、このレースだけで使われている。そのような特殊な舞台ではあるが、1996年にJRA交流になってから27回のうち、JRAが20勝。22年は川崎のノーヴァレンダが地方馬として13年ぶりに勝利を挙げた。その一戦の傾向を、13~22年の過去10年の結果からみていくことにしよう。
過去10年の優勝馬のうち8頭は単勝1番人気または2番人気。例外は2022年ノーヴァレンダ(5番人気)と13年オースミイチバン(6番人気)で、それ以前にさかのぼっても4番人気以下での勝利は01年リージェントブラフ(5番人気)だけ。基本的には上位人気馬が優勢となっている。そのなかで特徴的なのは3番人気。過去10年では勝ち星がないが、3着に6回も入っているのが目立っている。[表1]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| 1番人気 | 5 | 1 | 0 | 4 | 50.0% | 60.0% | 60.0% |
| 2番人気 | 3 | 2 | 1 | 4 | 30.0% | 50.0% | 60.0% |
| 3番人気 | 0 | 2 | 6 | 2 | 0.0% | 20.0% | 80.0% |
| 4番人気 | 0 | 2 | 0 | 8 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
| 5番人気 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
| 6番人気以下 | 1 | 1 | 2 | 72 | 1.3% | 2.6% | 5.3% |
所属別の成績をまとめてみると、8勝、2着9回のJRA関西が圧倒的。JRA関東は出走数が少ないが、延べ7頭のうち3頭が3着以内と、まずまずの結果を残している。地方馬は苦戦傾向となっているが、3着に5頭が入っている点は覚えておいてもいいだろう。[表2]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| JRA関西 | 8 | 9 | 3 | 12 | 25.0% | 53.1% | 62.5% |
| JRA関東 | 1 | 0 | 2 | 4 | 14.3% | 14.3% | 42.9% |
| 川崎 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
| 大井 | 0 | 1 | 2 | 13 | 0.0% | 6.3% | 18.8% |
| 船橋 | 0 | 0 | 3 | 28 | 0.0% | 0.0% | 9.7% |
| 浦和 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| その他地方 | 0 | 0 | 0 | 29 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
世代ごとの成績をまとめてみると、勝ち馬の数は4歳から7歳までほぼ互角となっているが、率を見てみると5歳は3着内率が16.0%と低調。逆に4歳は11頭のうち6頭が3着以内(同54.5%)と好成績を残している。ちなみに8歳以上の2着2回は、2020年ウェスタールンド(JRA関西・8歳)と17年ユーロビート(大井・8歳)で、ともにセン馬となっている。[表3]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| 4歳 | 3 | 1 | 2 | 5 | 27.3% | 36.4% | 54.5% |
| 5歳 | 2 | 1 | 1 | 21 | 8.0% | 12.0% | 16.0% |
| 6歳 | 3 | 2 | 3 | 15 | 13.0% | 21.7% | 34.8% |
| 7歳 | 2 | 4 | 3 | 21 | 6.7% | 20.0% | 30.0% |
| 8歳以上 | 0 | 2 | 1 | 34 | 0.0% | 5.4% | 8.1% |
連対馬の馬番は、過去10年のうち7回で「1~5番」と「6番より外」の組み合わせになっている。それ以前でも同じような組み合わせになっていることが多く、特徴的なデータとして考慮してみるのも面白いかもしれない。[表4]
| 年 | 頭数 | 1着 | 2着 |
| 22年 | 14 | 11 | 1 |
| 21年 | 10 | 10 | 8 |
| 20年 | 14 | 14 | 3 |
| 19年 | 13 | 1 | 9 |
| 18年 | 9 | 1 | 2 |
| 17年 | 14 | 3 | 12 |
| 16年 | 12 | 3 | 11 |
| 15年 | 12 | 4 | 5 |
| 14年 | 14 | 3 | 6 |
| 13年 | 14 | 5 | 11 |

2022年は川崎のノーヴァレンダが勝利を挙げたが、もともとはJRAの関西所属で全日本2歳優駿を制した実力馬。それを含めてやはりJRA所属、とりわけ関西馬が有力。そして単勝1~2番人気の支持を受けていればさらに強力だ。ちなみにJRAとの交流競走になって以降の優勝馬はすべて、当日の馬体重が475㎏以上となっている。
(浅野 靖典)

1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。