データ分析 Data Analysis

砂の女王決定戦

牝馬限定として国内唯一のダートGI級レースで、トップクラスの牝馬がここを目標に顔を揃える。2017年には南関東重賞5勝の実績を持つララベル(大井)が地方代表として挑み見事に優勝を収めたが、それ以外の11回はJRA所属馬が勝利。今年も同様の傾向が続くのか、それとも地方馬に浮上の目はあるのか。ここでは南関東を舞台に行われた過去7回(11、12年、15~17年、19、20年)の結果を元に分析していく。

JRAが中心も栗東と美浦に大きな差はない

JRAの馬券圏独占は4回で、そのうち2回が栗東の馬によるもの。4勝、2着4回の栗東に対して美浦は2勝、2着2回と数字では劣っているように映るが、勝率・連対率・3着内率を見てみるとそこまで差がないことは頭に入れておきたい。地方馬は南関東が1勝を含め馬券圏に4回好走。内訳としては大井が1勝、3着1回。船橋2着1回、浦和が3着1回となっている。また地方他地区は北海道のサクラサクラサクラが12年に3着に逃げ粘り、波乱を演出した。【表1】

[表1]所属別成績(南関東で実施された過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 4 4 3 15 15.4% 30.8% 42.3%
JRA美浦 2 2 1 10 13.3% 26.7% 33.3%
南関東 1 1 2 34 2.6% 5.3% 10.5%
地方他地区 0 0 1 15 0.0% 0.0% 6.3%

1番人気の信頼度が高く、3着は紐荒れに注意

1、2番人気が堅実に上位争いに加わっており、特に4着以下が1回しかない1番人気はかなり信頼できる。1、2番人気がともに馬券圏に入ったのは4回で、2番人気が馬券圏外に沈んだ3回のうち2回は1番人気が連対を確保していた。連対は5番人気以内だが、3着には6番人気以下が4頭も台頭。高配当を狙うとすれば人気薄を3着に置く買い方。【表2】

[表2]単勝人気別成績(南関東で実施された過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 2 1 28.6% 57.1% 85.7%
2番人気 2 2 0 3 28.6% 57.1% 57.1%
3番人気 1 1 1 4 14.3% 28.6% 42.9%
4番人気 1 2 0 4 14.3% 42.9% 42.9%
5番人気 1 0 0 6 14.3% 14.3% 14.3%
6番人気以下 0 0 4 56 0.0% 0.0% 6.7%

充実期を迎えた4・5歳中心、3・6歳は取捨が重要

2勝を含む7連対の4歳と勝利数でトップの5歳が優勢で、連対率や3着内率からも脂が乗ったこの2世代を中心に据えるのがベター。となれば3歳と6歳の取捨が重要になってくるわけだが、3歳で馬券絡みした2頭には関東オークスJpnIIの勝ち馬という共通項があった。また6歳で馬券圏に好走した4頭のうち2頭は地方馬で、残りのJRA2頭を見てみると2015年2着のサンビスタは、前年のJBCレディスクラシックJpnIを制覇。20年1着のファッショニスタは、このレースで2年連続3着。2頭ともに一流の力を示していたことに加えて、前走でダートグレード勝利と衰えを見せていなかった。【表3】

[表3]年齢別成績(南関東で実施された過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 0 1 11 7.7% 7.7% 15.4%
4歳 2 5 1 20 7.1% 25.0% 28.6%
5歳 3 1 3 20 11.1% 14.8% 25.9%
6歳 1 1 2 18 4.5% 9.1% 18.2%
7歳 0 0 0 5 0.0% 0.0% 0.0%

レディスプレリュード組が断然

3着以内馬21頭のうち14頭がレディスプレリュードJpnIIからの参戦で、勝ち馬は5頭出ている。大井で開催された4回(2011、15、17、20年)に限れば3勝を含む馬券圏9頭と信頼度がグッと上がる。同じく大井開催の4回では同年のレディスプレリュードJpnII勝ち馬は【1-1-1-0】とすべて馬券絡み。他の注目点としては勝ち馬7頭のうち6頭はダートグレードを勝った実績があり、例外の17年ララベル(大井)にしても2着があった。ここを勝つためには相応の実績が求められる。また岩田康誠騎手が【2-2-0-3】、武豊騎手は【1-2-0-1】と、JRAの両ベテランが存在感を示しており、騎乗するようであればチェックしておきたい。

勝つのはこういう馬!

JRAで1・2番人気に推された馬が信頼できる。年齢は4・5歳が中心だが、関東オークスJpnIIを勝った3歳や、当レースに好走歴があって前走Vの6歳も圏内と言える。レディスプレリュードJpnIIから参戦してきた馬の活躍が目立ち、勝ち馬はここでも首位争いに加わってくるものと考えておきたい。ダートグレードでの連対歴も勝つための必須条件。

(文・前田 恒)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2011年の第1回から過去12回のデータ。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。