データ分析 Data Analysis

ハンデ戦になってもJRAの連勝続く一戦

2001年の第1回から12月下旬に行われているが、勝ち馬がすべてJRA所属。ダートグレードのなかでは少なくなった『地方馬が未勝利』の一戦だ。それでも第7回からハンデ戦として行われるようになったことで、軽量を利して上位争いに加わってくる地方馬がたびたび出現。21年は当時3歳だったイグナイター(兵庫)が52㎏を味方に3着に粘り込んだ。今年こそ地方馬の初優勝にも期待したいもの。そのレースを過去10回の結果からみていくことにしたい。

上位人気馬が優勢

勝ち馬はすべて単勝4番人気以内だが、1番人気が4勝だけという点には注意が必要だ。6番人気以下で3着以内に入った4頭は、2013年2着エプソムアーロン(高知・6番人気)、14年3着サクラシャイニー(高知・7番人気)、19年2着イルティモーネ(兵庫・8番人気)、同年3着サクラレグナム(高知・9番人気)となっている。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 3 2 40.0% 50.0% 80.0%
2番人気 3 3 0 4 30.0% 60.0% 60.0%
3番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
4番人気 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
5番人気 0 0 3 7 0.0% 0.0% 30.0%
6番人気以下 0 2 2 57 0.0% 3.3% 6.6%

地方は高知の健闘が光る

兵庫県の園田競馬場で行われることもあってか、中心になるのはJRAの関西所属。JRAの関東馬で勝利を挙げたのは、2015年のレーザーバレットだけだ。しかしながら、地方馬に2着と3着が各5回もある点には要注目。そのなかでは、延べ6頭が出走して3着以内が3回ある高知の成績が光っている。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 9 5 4 16 26.5% 41.2% 52.9%
JRA関東 1 0 1 3 20.0% 20.0% 40.0%
南関東 0 2 0 7 0.0% 22.2% 22.2%
高知 0 1 2 3 0.0% 16.7% 50.0%
兵庫 0 1 2 38 0.0% 2.4% 7.3%
岩手 0 1 0 3 0.0% 25.0% 25.0%
地方その他 0 0 1 11 0.0% 0.0% 8.3%

ベテランにも要注目

年齢別に成績をまとめてみると、大きい差はないという分布。ただ、5歳と6歳が各3勝という点は注目できる。それ以上に興味深いのが8歳以上で、2、3着各4回という好成績。その内訳は、JRAが2着2回(ドリームバレンチノの8歳時と9歳時)、3着2回(8歳、10歳各1頭)で、地方馬が2着2回(8歳、9歳各1頭)、3着2回(8歳、10歳各1頭)となっている。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 0 1 7 11.1% 11.1% 22.2%
4歳 1 2 3 11 5.9% 17.6% 35.3%
5歳 3 1 0 14 16.7% 22.2% 22.2%
6歳 3 2 2 15 13.6% 22.7% 31.8%
7歳 2 1 0 19 9.1% 13.6% 13.6%
8歳以上 0 4 4 15 0.0% 17.4% 34.8%

軽ハンデ馬は2、3着候補

勝ち馬はすべて負担重量が56㎏以上。2着と3着にはいわゆる軽ハンデの馬が入ることもあるが、54㎏と55~55.5㎏の成績がいまひとつという点は覚えておいてもいいかもしれない。[表4]

[表4]負担重量別成績(過去10回)

負担重量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
52㎏以下 0 2 2 42 0.0% 4.3% 8.7%
53㎏ 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
54㎏ 0 1 0 7 0.0% 12.5% 12.5%
55~55.5㎏ 0 0 0 5 0.0% 0.0% 0.0%
56㎏ 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
57~57.5㎏ 3 1 3 8 20.0% 26.7% 46.7%
58~58.5㎏ 3 1 1 3 37.5% 50.0% 62.5%
59~59.5㎏ 2 3 1 3 22.2% 55.6% 66.7%

中枠と外枠が好成績

園田1400mは4コーナーの奥からスタートして1周するコース。最初のコーナーまでの距離はおよそ400m。そのためか、枠順による差はほとんどないと考えていいだろう。唯一、7・8番が1勝、2着1回といまひとつ。馬券絡みした2頭は逃げ切り(2014年メイショウコロンボ)と、後方3番手からの追い込み(19年2着イルティモーネ)という、極端な戦法を採った馬だった。[表5]

[表5]馬番別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1・2番 1 3 0 13 5.9% 23.5% 23.5%
3・4番 3 1 2 14 15.0% 20.0% 30.0%
5・6番 2 1 3 14 10.0% 15.0% 30.0%
7・8番 1 1 0 16 5.6% 11.1% 11.1%
9・10番 1 2 3 13 5.3% 15.8% 31.6%
11・12番 2 2 2 11 11.8% 23.5% 35.3%

勝つのはこういう馬!

地方馬の勝利に期待したいところだが、やはり勝つ可能性が高いのはJRAの関西所属で単勝4番人気以内。さらに5~7歳の範囲が有力だ。ハンデは57㎏以上が有力で、どれだけ重くてもOK。なお、ハンデ戦になって以降の勝ち馬はすべて、当日の馬体重が473㎏以上となっている。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。