レースの見どころ
ダート三冠路線の一冠目となる羽田盃のJRA所属馬の出走枠は今年も4頭だが、昨年同様にこの雲取賞と3月26日・京浜盃のいずれかで5着以内を確保しつつJRA上位2頭に入らなければ優先出走権を得られない狭き門。ここ出走のJRA所属馬3頭にとっては先を見据えながらも確実に上位を目指さなければいけないという難しいレースとなる。他方、地方所属馬は着順を問わずここで上位2頭に入れば羽田盃への切符は獲得できるわけだが、ここで掲示板の確保もできないようであれば先は見据えづらい。各陣営の思惑も激しく巡る、要注目の一戦だ。
道営2戦1勝の戦績で道営から南関東へ転入。その初戦でいきなり重賞勝ち馬ランベリーを一蹴して能力は示していたといえ、その強さを確定させたのは続くハイセイコー記念。道中マイペースだったにせよ上がり3ハロンでもメンバー中最速をマークして2着シビックドリームに6馬身差をつける圧勝劇を飾ったが、持ち時計を一気に3秒近く更新した1分42秒6の走破タイムは前年のダテノショウグンと0秒1差の好記録だった。やや加速に時間を要す印象もあり外回り1800mに変わるのもむしろ好材料か。古い話にはなるが母ハルサンサンは2012年のTCK女王盃勝ちの実力馬。その息子がダートGで輝きを放ってもなんら不思議ではない。
デビュー2戦2勝のエリート候補。好位差しで決めた新馬戦は2着馬と0秒1差と派手さに欠けたが、4カ月ぶりの実戦となった前走1勝クラス戦で印象は一変。後手を踏んだこともあり後方からの競馬となったが、勝負どころで進出して直線外に持ち出すと先行勢をまとめて差し切り。2着馬につけた差は0秒3差でも上がり3ハロンはレース上がりを1秒2上回る優秀なものだったし16キロ増えた馬体も含めスケール感を大きく増した。半姉エスメラルディーナ、半兄コンシリエーレも3歳ダートGで好走歴、父ゴールドドリームも地方競馬で重賞級を続々と輩出。この舞台でさらなる飛躍も期待できる。
鞍上にライアン・ムーア騎手を配した前走の全日本2歳優駿は7着に終わったが、連対2頭は1200~1400m実績馬でレースの質が短距離向きだった可能性があるし、自身距離1600mも小回りコースもあまり向かなかった感じ。その前JBC2歳優駿2着の走りをみても今回大井外回りの1800mに舞台が変わるのは間違いなくプラスに転じるだろう。こちらもジャナドリアと同じく父はゴールドドリームで、母も2016年のマリーンカップ勝ち馬・ヴィータアレグリアと血統背景も申し分ないところ。追い切りも動いて状態面も問題ないとなれば、ここは巻き返しの公算は高い。
リコースパローは前走JBC2歳優駿でハイペースを2番手追走、三角でいったんは先頭に立ったが後続の目標にもなる厳しいレース展開で9着惨敗も止むなしか。その前の2戦ではソルジャーフィルドを負かしており、この相手でも能力面ではヒケは取らない。すんなり流れにのれれば侮れない一頭。タイセイカレントは鞍上に吉原寛人騎手を配しての初ダート戦。兄姉2頭がダート馬で母系的には適性があって不思議ないが、反面父が基本芝志向のモーリスに変わった点がどう響くか。半信半疑な面も。ペピタドーロは4カ月ぶりの一戦がダートGと一気の相手強化が課題になるが、底力を秘めるゴールデンサッシュ系の出自。重賞ペースに対応できれば大駆けも。
提供 日刊競馬 鎌田 智也
注記
当ページの情報は、2月18日(火)17時現在のものです。
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