データ分析 Data Analysis

上半期の大舞台へ向けての一戦

2024年から春に移動した川崎記念JpnIを目指すステップレースのひとつとしての位置づけとなった。その昨年はセラフィックコールとディクテオン(ともにJRA)がここから川崎記念JpnIに出走。ともに帝王賞JpnIへも参戦し、ディクテオンは3着に好走した。過去10回の勝ち馬にはクリソライト、ケイティブレイブ、チュウワウィザードなどトップクラスの名前も並ぶ。ここでは15~24年の結果から傾向を探る。

JRA栗東が優位だが

JRA栗東が優位なことは[表1]から一目瞭然で、軸に据えるのがベスト。勝率・連対率・3着内率でもトップの数字を残しており、ワンツー決着は5回(うち2回はワンツースリー)を数える。ただ、過去3回は栗東+それ以外が連対している。JRA美浦で馬券圏内の延べ5頭は前走がGII/JpnII以下のダートグレードで3着以内か、JpnIで5着以内の成績。南関東で馬券圏内の6頭のうち延べ4頭、2020年3着サウンドトゥルー(船橋)と22年1着ノーヴァレンダ(川崎)はJRA在籍時にGI/JpnIを制覇。16年3着、17年2着ユーロビート(大井)は3勝クラスを勝利した実績があった。

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 8 7 4 10 27.6% 51.7% 65.5%
JRA美浦 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
南関東 1 1 4 50 1.8% 3.6% 10.7%
上記以外 0 0 0 28 0.0% 0.0% 0.0%

基本的には人気サイドの決着

1番人気が7勝。2番人気が2勝と、人気馬が勝つ可能性が高い。1番人気が勝利した時の単勝オッズは1.3~2.4倍で、かなりの支持を集めた馬は信頼できる。対して勝利を挙げられなかった3回は2.4~3.2倍。少しオッズがつくような1番人気であれば疑ってみてもいいのかもしれない。馬連複は10倍以下での決着が5回あり、特に2018年の1.2倍、16年と20年は3倍台と超人気サイドの決着。馬連複万馬券は22年のみで、基本的には堅い決着が多い。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 7 0 0 3 70.0% 70.0% 70.0%
2番人気 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
3番人気 0 1 7 2 0.0% 10.0% 80.0%
4番人気 0 4 0 6 0.0% 40.0% 40.0%
5番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
6番人気以下 0 1 1 71 0.0% 1.4% 2.7%

直近のGIは着順不問、JpnIIは好走が理想

直近で出走していた主要ダートグレードとの関連を調べたのが[表3]。チャンピオンズカップGIの成績が抜けている。勝ち馬2頭はチャンピオンズカップGIで10着と12着、2着馬も同9着、15着と大きな着順から巻き返している。東京大賞典GIも勝ち馬は12着、3着、8着からと着順は問われないが、日本テレビ盃、浦和記念といったJpnIIを使われて勝利した3頭はすべて2着から。GIでは大敗していても関係ないが、JpnIIであれば好結果が求められる。

[表3]直近で出走していたDG別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
チャンピオンズC GI 2 2 2 2 25.0% 50.0% 75.0%
東京大賞典 GI 3 2 2 6 23.1% 38.5% 53.8%
浦和記念 JpnII 2 0 2 11 13.3% 13.3% 26.7%
日本テレビ盃 JpnII 1 0 0 8 11.1% 11.1% 11.1%

勝ち馬は重賞やダート長距離の実績重視

勝ち馬のうち延べ5頭には2000mでのJpnI勝ち、1頭は2000mではないもののJpnIでの勝利実績があった。残り4頭はチュウワウィザードが2500m時代の名古屋グランプリJpnII、アナザートゥルースとセラフィックコールは中央ダート1800mの重賞勝ち馬だった。2023年グロリアムンディは重賞で2着が最高だったが、ダート2400mを勝利しており、距離適性の高さを生かして重賞初制覇を決めた。大舞台やダート長距離の実績を重視したい。

勝つのはこういう馬!

JRA栗東所属馬が有力で人気を背負う形になった1番人気も信頼度はかなり高い。JRA美浦は前走の成績が好走のカギに。直近の主要ダートグレードではチャンピオンズカップGI、東京大賞典GIは成績不問。日本テレビ盃JpnIIや浦和記念JpnIIは連対が必須と、レースの格によって傾向が違う。GI/JpnIでの勝利歴や、GI/JpnIに手が届いていない馬であっても1800m以上の重賞は勝っておきたい。

(文・スポーツ報知・浅子祐貴)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。