昨年から5月上旬に移設
近年、いくつかの変更点があった名古屋グランプリJpnII。競馬場が名古屋市内から弥富市に移転した2022年からは現行の2100mで行われるようになり、さらに12月だった開催時期が昨年から5月の大型連休中に移った。そうした時代の変化に合わせたデータを見つつ、ここでは15~24年の過去10回から傾向を見ていく。
2001年の第1回をミツアキサイレンス(笠松)が勝って以降、23年連続でJRA馬が優勝している。ジョッキーでは地元トップの一人・岡部誠騎手が12、14年エーシンモアオバー(JRA)、19年デルマルーヴル(JRA)、23年ディクテオン(JRA)で計4勝を挙げるが、馬となるとJRAが圧倒的だ。過去10回で最も勝利に近づいた地方馬は24年2着ヒロイックテイル(高知)だが、こちらはJRAオープンクラスからの移籍初戦。他は地方生え抜きのカツゲキキトキト(愛知)が16年と17年に3着に入った。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 8 | 9 | 5 | 20 | 19.0% | 40.5% | 52.4% |
JRA美浦 | 2 | 0 | 3 | 3 | 25.0% | 25.0% | 62.5% |
高知 | 0 | 1 | 0 | 7 | 0.0% | 12.5% | 12.5% |
名古屋 | 0 | 0 | 2 | 34 | 0.0% | 0.0% | 5.6% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 22 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9回で単勝1・2番人気が勝利と、1着は上位人気馬。唯一、5番人気での勝利となったのは2017年メイショウスミトモ(JRA)で、この時の1番人気は地元期待のカツゲキキトキト(愛知)で3着だった。3連単万馬券は3回で、5番人気が勝った前述の17年と、7番人気が3着以内に入った16、24年だった。他の年では5・6番人気が3着以内に入っても3連単は6000円以下に落ち着いていた。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 5 | 2 | 3 | 0 | 50.0% | 70.0% | 100.0% |
2番人気 | 4 | 2 | 1 | 3 | 40.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
4番人気 | 0 | 2 | 2 | 6 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
6番人気以下 | 0 | 1 | 2 | 63 | 0.0% | 1.5% | 4.5% |
2000m超えの長い距離となると牡馬が有利かと思いきや、牝馬も2勝を挙げる。アムールブリエ(JRA)による2015・16年の連覇で、23年は2着グランブリッジ(JRA)、3着テリオスベル(JRA)と牝馬2頭が3着以内に入った。JRA所属の牝馬は出走頭数こそ過去10回でのべ4頭だが、3着内率は100%。もし出走があれば、軽視できない。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
牡・セン | 8 | 9 | 9 | 82 | 7.4% | 15.7% | 24.1% |
牝 | 2 | 1 | 1 | 4 | 25.0% | 37.5% | 50.0% |
2021年までは旧競馬場の2500mで行われ、4コーナーの引き込み線からコースを2周したが、弥富市への競馬場移転に伴い2100mに変更。向正面の引き込み線からスタートし、コーナー6回、コースを1周半する形態となった。現行距離となった22年からの3回(すべて12頭立て)では[表4]のように決まっている。現在の名古屋競馬場は内を大きく空けて走る日も多いが、内枠が必ずしも不利というわけではない。
22年 | 23年 | 24年 | |
1着 | 9 | 12 | 10 |
2着 | 8 | 6 | 2 |
3着 | 2 | 1 | 11 |
外枠(9~12番)に入った1番人気は4戦4勝。競馬場移転以降でも2022年ペイシャエス、24年ノットゥルノといずれも勝利を挙げた。
(文・大恵陽子)
1着
2着
3着
【注記】2005年は競走取り止め。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。