データ分析 Data Analysis

短距離からマイルの実力馬が集う

2024年にJpnIに昇格し春のダート短距離王決定戦となった。同年はレモンポップが勝って国内のGI/JpnI・4連勝とした。JpnII時代には16年ソルテ、22年サルサディオーネの南関東勢、23年には兵庫のイグナイターと近年は地方馬も勝利を手にしてきた。ここでは15~24年の過去10回の傾向を見ていく。

出走していれば美浦、近年は地方馬も健闘

JRAが7勝を挙げているが、出走頭数は少ない美浦が3勝、2着1回と高確率で連対。美浦の馬が出走してくれば注目できる。地方も南関東が2勝、兵庫が1勝を挙げ、8連対と健闘。JRAの馬券圏内独占は2017、21年の2回のみで、地方馬が2頭馬券に絡んだのは18、20、22、23年と近年は活躍が目立っている。ちなみに南関東の好走馬は大井が2勝。浦和は2着2回、3着3回で、そのうち4頭は小久保智厩舎。船橋は2着2回、3着1回でうち2回はキタサンミカヅキ(18年2着、19年3着)によるもの。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 4 4 6 19 12.1% 24.2% 42.4%
JRA美浦 3 1 0 4 37.5% 50.0% 50.0%
南関東 2 4 4 42 3.8% 11.5% 19.2%
上記以外 1 1 0 20 4.5% 9.1% 9.1%

20年以降は波乱傾向強まる

単勝1番人気が連対6回と安定していることもあって基本的には堅めの決着が多いが、2020年以降の5回で少し潮目が変わってきた印象を受ける。昨年のレモンポップのように圧倒的人気に応えるケースもあるが、1番人気の4着以下3回はいずれも近5年。それまでのような信頼感はなくなってきている。15~19年の馬連複の平均配当642円に対して20年以降は2474円。3連単万馬券も1回から3回と増え、23年には10万円オーバーの配当が飛び出している。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 2 1 3 40.0% 60.0% 70.0%
2番人気 1 3 4 2 10.0% 40.0% 80.0%
3番人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
4番人気 1 1 0 8 10.0% 20.0% 20.0%
5番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
6番人気以下 2 0 2 61 3.1% 3.1% 6.2%

安定感の5歳と妙味ある8歳

昨年2着のイグナイター(2023年1着)、3着シャマル(22年3着)をはじめリピーターの活躍が見られる。勝利数では4勝の6歳がリードしているが、5歳は3着内率で52.6%と安定して上位に顔を出している。5歳と同じく2勝の8歳も注目。勝率などでは5歳に及ばないが、24頭の中で2桁人気は6頭おり、平均人気は6.5。それに対して5歳は2桁人気なしで平均人気は4.5と、8歳の方が人気薄で健闘していることが浮かび上がってきた。ちなみに8歳で3着以内に入った6頭のうち4頭は地方馬だった。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4歳 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
5歳 2 4 4 9 10.5% 31.6% 52.6%
6歳 4 3 1 18 15.4% 26.9% 30.8%
7歳 1 0 1 17 5.3% 5.3% 10.5%
8歳 2 3 1 18 8.3% 20.8% 25.0%
9歳以上 0 0 2 15 0.0% 0.0% 11.8%

勝ち馬は4番手以内から

浦和1400mはゴールまでの直線が220mしかなく、コーナーも急な小回り。基本的には前に行った方が有利と言える舞台設定。勝つには1コーナーを4番手以内で通過するのが望ましく、最低でも6番手以内にはつけておきたい。勝負どころの3コーナーではその傾向がより顕著に出ており、9勝が4番手以内からだった。このことからも勝ち切るにはある程度のテンのスピードと機動力が求められる。[表4-1][表4-2]

[表4-1]1コーナー通過順別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1~4番手 7 4 7 22 17.5% 27.5% 45.0%
5~8番手 3 5 3 29 7.5% 20.0% 27.5%
9番手以下 0 1 0 33 0.0% 2.9% 2.9%

注記:ほか競走中止1頭

[表4-2]3コーナー通過順別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1~4番手 9 4 8 19 22.5% 32.5% 52.5%
5~8番手 1 6 2 31 2.5% 17.5% 22.5%
9番手以下 0 0 0 34 0.0% 0.0% 0.0%

注記:ほか競走中止1頭

勝つのはこういう馬!

出走頭数は少ないがJRA美浦所属馬が出走していれば注目。過去3回では地方馬も2勝と侮れない存在。直線が短い舞台からも4番手以内につけられるような馬が狙い目に。

(文・スポーツ報知・浅子祐貴)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。