
レースの見どころ
過去5年、3着以内に入った計15頭に共通するのは、前走で重賞レースに出走していた点と、ダート1400m以上の距離で勝ち鞍があったという点。下級条件から上がってきたようなタイプは壁に阻まれるケースが多く、1200mまでしか経験のないスプリンターは馬場を一周するトリッキーな浦和1400mに対応できていない。また、15頭中12頭は当日の馬体重が500kgを超えていた。優勝した全馬に当てはまっており、ガサのない馬を頭からは狙いづらい。過去9年遡ってもJRA所属馬の上位独占はなく、地方代表馬が上位に食い込める可能性は十分に考えられる。

これまでダートグレードレースを2勝。馬場を一周する7ハロン戦は昨年4月、兵庫チャンピオンシップでクリアしている。57kgという斤量は他馬との比較においてマイナス要素だが、実績上位は明白であり、何より雷神ジョアン・モレイラ騎手の手綱が魅力たっぷり。事実、同騎手とのコンビでダートグレードレースを2勝している。真ん中より外めの枠順が当たったことで、揉まれることなく好位置を取れるだろうし、自慢の先行力を存分に発揮して混戦を制す。

ブリンカー着用馬らしく、なかなか成績が安定しないが、浦和1400mに限れば今年のプラチナカップを楽勝。続く、さきたま杯でも3着エンペラーワケアに0秒1差まで迫る健闘ぶり。相性のいい舞台と判断できる。夏場を休養に充て、8月下旬から乗り込みを開始。このレースを照準に絞って態勢を整えてきた。今年7~9月にかけて南関東では重賞4勝、海を渡って韓国・ソウル競馬場でGⅢ勝ちと、飛ぶ鳥を落とす勢いの荒山厩舎所属馬。大仕事をやってのけるか。

落鉄したブリリアントカップを除くと、今年は5戦してパーフェクト連対。年明けの川崎マイラーズで重賞初勝利、JpnⅠさきたま杯ではJRA勢に割って入っての2着。7歳にして底力を強化している印象すら受ける。最終追い切りでは及第点の動きを披露しており、今秋初戦でも割り引く必要はない。本命級の評価でもおかしくない器だが、鬼門である最内枠は気になる材料。21年は1番人気ラプタスが、昨年は2番人気テーオーステルスが1番枠を引いて凡走している。レース序盤の位置取りがポイントになりそう。

ジゼルは追い切りを強化したことで、やや太かった馬体が絞れてくるはず。52kgはかなり有利であり、今回は主戦の笹川騎手が手綱を取る。浦和1400mも苦にしないだけに、穴馬として狙ってみたい。アウストロのさきたま杯は高速決着に泣いた。オグリキャップ記念ではムエックスと0秒1差。良馬場のパワー勝負になれば遜色ないはず。全日本2歳優駿2着のハッピーマンも軽量52kgが魅力。ひと叩きの効果が感じられる稽古内容だけに、善戦以上のシーンもあり得る。サンライズフレイムは小回りコース攻略が課題になる。終いは鋭く伸びてくるタイプだけに、道中、置かれることなくスムーズに追走できれば。
提供 競馬ブック 善林 浩二
注記
当ページの情報は、9月22日(月)17時現在のものです。
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。