
レースの見どころ
今年は中央馬4頭、道営馬7頭の組み合わせとなった。このレースは、過去の傾向からもわかるように、基本的に地元馬が優勢だ。それだけ経験値や完成度の差が大きいということだろう。特に今年は、中央勢のなかでダート経験がある馬は1頭のみ。その1頭も1000メートルでの勝利となると、引き続き地元馬優勢のスタンスで問題はないだろう。なかでも注目は、圧倒的なパフォーマンスで重賞を連勝して臨むリュウノフライトだ。今年の牝馬戦線では頭ひとつ抜けており、中央勢も含め、この馬に対抗できる存在がいるのかどうかがポイントになる。

前走のフルールカップは、昨年のこのレースに匹敵する前半3ハロン34秒7の超ハイラップ。その流れを手応え十分に追走し、4角では楽に抜け出すのだから、スピードの絶対値の高さは折り紙付きだ。余力が窺えたレース振りを見ても、更なるタイムの短縮も可能と判断できる。2走前のリリーカップでは、先行争いから一旦引いたうえ、砂を被る形にも対応して圧勝しており、センスの良さも兼ね備えるタイプだ。今回も不安要素は少なく、今までの圧倒的なパフォーマンスとポテンシャルの高さを信頼できる。この馬の相手探しのレースと見たい。

リュウノフライトには差をつけられているとはいえ、地元重賞での好走実績に素直に注目したい。2走前のフルールカップでは、ラップの落ちていないコーナーで追い上げる形で、1分13秒台で走破しての2着。これは実力の高さを裏付ける内容と言え、ラップ構成と合わせると高評価できる。末脚を生かす形だったリリーカップの走りを踏まえても、柔軟なレース運びが可能な点が長所だろう。前走は長距離遠征に加え、初のコーナー4つの小回りコースが影響した様子。明らかな不完全燃焼と見るべきだ。地元の1200メートルなら本領発揮の可能性が高い。

前走のネクストスター門別では、初の完全なナイターだったこともあり、平常心を欠く様子が見られた。持ち味の末脚を発揮できなかった要因は、その点にあると見ていいだろう。札幌のすずらん賞で鮮やかに差し切って勝利を挙げているように、実績から本来の実力は交流重賞級のはずだ。ダートで同様のパフォーマンスを発揮できるかは鍵とはいえ、2度目のナイターで落ち着きを保っていれば、浮上の可能性が十分にあるだろう。加えて、このレースは例年ペースが速くなる傾向にあることから、決め手が生きる展開も望めそうだ。

デビューから連勝中のタケノルルは、前走が速いペースのなか、馬群に控える形から脚を伸ばす上々の勝ちっぷり。この内容を見ても1200メートルは問題ないはずだ。経験値の少なさと相手強化が課題も、中間の調教内容からも伸びしろの大きさは窺える。中央勢はどの馬に印を回すかが難しい。そのなかでも比較的枠順のいい2頭を選択。ミスバレンシアは、初ダートであることを考慮しても、スムーズに運べる大外枠は明らかにプラスだろう。コースを知り尽くす落合騎手の起用も強調点だ。前走は展開が噛み合わなかった感のあるトウカイマシェリの変身にも注意しておきたい。両馬とも門別に早めに入厩して順調に調教を消化できており、実力発揮なら上位浮上の可能性も。
提供 競馬ブック 古川 燎
注記
当ページの情報は、10月29日(水)17時現在のものです。
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。