データ分析 Data Analysis

年末のハンデ戦に変わって2年目

昨年から12月に移った名古屋大賞典JpnIII。それに伴い、3歳馬も出走できるようになり、昨年はミッキーファイト(JRA)が勝ちシンメデージー(高知)が3着と、3歳馬が活躍した。また、ハンデ戦に変わったのも大きなポイントで、シンメデージーはトップハンデと6kg差あった。そうした実施条件の変化を念頭に置きつつ、ここでは3月実施だった2015~23年を含めた過去10回から傾向を見ていく。

地方勢は各地を代表する馬が3着

他の西日本での地方ダートグレードと同じく、当レースも好成績はJRA栗東。出走頭数が多いため、3着内率はJRA美浦が上回るが、基本的には栗東優勢と見ていいだろう。美浦で唯一の勝利は2024年ミッキーファイト。地方馬では3頭による3着が最高で、17年カツゲキキトキト(愛知)、22年ジンギ(兵庫)、24年シンメデージー(高知)と、いずれも複数回の重賞勝ちがあり、各地を代表する活躍を見せる馬たちだった。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 9 8 4 18 23.1% 43.6% 53.8%
JRA美浦 1 2 3 4 10.0% 30.0% 60.0%
高知 0 0 1 4 0.0% 0.0% 20.0%
兵庫 0 0 1 4 0.0% 0.0% 20.0%
愛知 0 0 1 43 0.0% 0.0% 2.3%
上記以外 0 0 0 11 0.0% 0.0% 0.0%

ハンデ戦に変わり人気傾向に変化の可能性

別定重量で行われた過去9回(2015~23年)中8回で1番人気が3着以内に入り、3連単3000円未満が7回と、堅い決着が多かった。しかしながら、ハンデ戦へと生まれ変わった昨年は2→4→6番人気での決着となり、3連単3万7970円で、過去10回で最も高額配当となった。ハンデ戦となったことで実績面ではワンパンチ足りない馬でも上位入着の可能性を秘めるようになり、人気の傾向には今後も変化が生じるかもしれない。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 6 1 1 2 60.0% 70.0% 80.0%
2番人気 1 4 2 3 10.0% 50.0% 70.0%
3番人気 2 0 2 6 20.0% 20.0% 40.0%
4番人気 1 5 1 3 10.0% 60.0% 70.0%
5番人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
6番人気以下 0 0 3 61 0.0% 0.0% 4.7%

川田将雅、武豊騎手は驚異の勝率

ジョッキ―では川田将雅騎手が非常に好成績で、過去10回のうち5回騎乗し4勝。勝率は80.0%に上る。2020年ロードゴラッソ、21・22年クリンチャー、23年ハギノアレグリアスと4年続けての勝利で、弥富市に移転した現在の競馬場でも勝利経験がある。騎乗があれば注目だ。また、武豊騎手も16年アウォーディーと19年グリムで2勝を挙げ、4着以下は1度のみという点は川田騎手と同じだ。[表3]

[表3]主な騎手別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
川田将雅 4 0 0 1 80.0% 80.0% 80.0%
武豊  2 0 0 1 66.7% 66.7% 66.7%
戸崎圭太 1 2 0 0 33.3% 100.0% 100.0%
M.デムーロ 1 1 0 3 20.0% 40.0% 40.0%

差しも届くように

名古屋競馬場が弥富市に移転したことに伴い、従来1900mで行われていた当レースは2023年から2000mで実施されている。旧競馬場に比べて直線が長くなり、差しも届くようになったのが新競馬場の特徴。当レースでも旧競馬場で行われた15~22年は差しは【0・4・1・27】で勝利がなく、連対率12.5%、3着内率15.6%だったのに対し、23・24年は【1・0・1・6】で勝率・連対率12.5%、3着内率25.0%とややアップしている。

勝つのはこういう馬!

前走GI/JpnIで5着以内、かつ重賞勝利歴のある馬の場合、【2・1・0・1】で勝率50.0%。また、ハンデ戦に変わった昨年、JRA馬で斤量57kg以上は4頭いてワンツー決着。高重量は避けたくなるが実績を評価された証でもあり、JRA馬を狙うなら57kg以上だろう。

(文・大恵陽子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。