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第18回 2010年1月20日 シーチャリオット

 
 「シーチャリオットほどの新馬に乗ったことはないよ」と、今や日本ナンバー1の内田博幸騎手が南関東時代に言っていたことを思い出します。加速してさらに加速する二段ロケットの末脚を武器に、圧倒的な強さで05南関東クラシック2冠を達成。シーチャリオットのあの輝きは、今でも忘れることはできません。

 昨年8月のアフター5スター賞を最後に引退し、現在は八王子乗馬倶楽部の恩方スティブルで第二の馬生を過ごし始めています。高尾駅から車で15分ほどの聖パウロ学園内に馬場があり、自然に囲まれた空間です。

 「最初から、乗馬用のハミ受けと速歩(はやあし)や駈歩(かけあし)の運動の合図がちゃんとできています。乗馬の訓練を相当してきたんじゃないかな? って思うくらい乗馬のベースはすでにできていますよ。こういう馬も珍しいですね」と馬事指導部の水田貴さん。乗り始めてまだ1カ月ほどだそうで、地面に置いた横木をまたいだりするなどの練習を行っているそうです。とても賢くて物怖じのしないタイプ。現在の立場を理解しているかのように真面目にお仕事をしているそうです。

 競馬場にいた頃は非常に気が強い馬としても知られていましたが、「手入れをする時に多少威嚇をしたりしますが、気の強い所は出さないしおとなしい方ですよ」(水田さん)。あらら、厩舎のみんなが聞いたらビックリするだろうなぁ(苦笑)。

 私がおじゃました時は、ちょうどおやつタイムで乾草をほおばっていました。その合間に顔を上げてもらったんですが、おやつを食べたかったようで、ご機嫌斜めでず〜っと耳は絞りっぱなし。変わらず威圧感はたっぷりでした。ギロッとした目つきも、左目上の白線の特徴も、懐かしい。やっぱり、シーチャリオットだぁ!

 現在は乗馬としての体作りに専念しているそうで、1年くらいをかけてじっくりと、乗馬での方向性が決められていくことになるそうです。「一定のテンポで、その一歩一歩が大きいので、障害馬術より馬場馬術の方が向いているのかなとも思っています。性格がこのまま落ち着いていれば、誰でも乗ることができるような調教もやっていくかもしれません」(水田さん)。

 乗馬の世界へ第一歩を踏み出し始めたシーチャリオット。どのステージに上がっても、南関東の宝馬であったことに変わりはありません。これまでも、これからも・・・。

 砂上でのあの華やかな姿を、今度は新しい世界で魅せて欲しいと思います。シーチャリオット、輝き続けてね!

 ※ 見学などの詳しいことは八王子乗馬倶楽部へお問い合わせ下さい。
 http://www.hachioji-rc.co.jp/index.html

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に活動中。

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